図書館に行って、北千住でコーヒーのんで、千駄木で買い物して、それから上野動物園に行く。目的はハシビロコウを見る。先週、妻がハシビロコウを知らないというので、ハシビロコウを知らない人間なんていまどき存在しないでしょうと言ったら、でも本当に知らないという。それで、ネットで動画等見て、なんか見たことあるかも、知ってるかも、とのことだがはっきりとは思い出せないらしく、やはり知らないということになって、では見に行こう、そして、動物園は千駄木から細い路地をぐんぐんと歩いていくと急に入口に至り、入場券を払うといきなりすぐにハシビロコウである。ただし最初の檻の中にはおらず、ああ無駄足だったと落胆していたら、裏側の檻の向こう側で、静かに深刻そうな表情が見えて、いたと思った。たしかに微動だにしないという雰囲気ではあったが、痒いところがあると嘴で熱心に掻いていたのでまったく動かないということでもない。痒いときとまばたきだけは動く。ビールを飲みながらしばらくの間ぼんやりと見る。全部飲み干したとき嫌な胸焼けの感じがした。我々の前や後ろをたくさんの見物客が来ては去っていくが、ほぼ全員が、ああハシビロコウだねハシビロコウわたし好きなのとか言っているので、やはり今やハシビロコウを知らない人間は稀だということがわかる。なんで皆が知ってるのかと妻は驚きをあらたにした。そのあとはペンギン、シロクマ。アザラシ、サイは美術のモチーフのようで、コビトカバが熱心に草を食んでいて、あれ、美味しいのかねえと言ったら、草に味が着いてるかみたいなことを言うので、違うよそうじゃなくてカバ食べたら美味いか聞いてるのと言う。そのあとは、鳥を見る。カワセミ、アカショウビンなど、まるで模型が生きて動いているみたい。持参の双眼鏡が活躍した。