昨日の18:45頃にヨドバシでiPhoneを機種変更して、手続き終わりの予想時間が19:30だったので、これなら充分間に合うだろうと思っていたのに思いのほか時間がかかり、店を出たのは19:50近くだった。どうしようかと思ったが、イチかバチかだと思ってタクシーに乗って、小金町のジャックアンドベティという映画館までお願いしますと言った。でもタクシーも思ったほどではなくて、到着は20:03頃で、もしかしたら素直に電車の方が早かったかもしれなかったが、いずれにせよ、もう始まってるけどしょうがないなと思ってチケットを買ったらまだ上映前だった。20:00からだと思ったら20:10からだった。おお!まるで映画の方が自分を待っていてくれたかのような嬉しい誤算。
シネマ・ジャック&ベティで「ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ」去年の八月以来二度目の鑑賞。二度目の方がずっと良かったし楽しい。というか、これは二度目以降でようやく面白さがわかってくるような類の映画ではないか。こんな感じで、こういうやり取りの続く、こういう一応の展開のある、こういう話だとわかったうえで、個々の細かいところまでよく観ることができる。ということははじめて観たときは、ほんとうにかなりたくさんのことを拾えてなかったのだ。今日は、なんだかあっという間に終わってしまったような印象だった。取り立ててどのシーンがどう良かったとか言うのが難しい。全部満遍なく楽しいとしか言えない。でも音楽はやはり良い気がする。ばりっと一瞬だけ世界に裂け目が入るかのようなノイズ。
絢と中西の、なんとも不思議なやり取り。ラブラブな関係で見てられないみたいな状況とも違うし、お互い心の内で思惑があって、みたいな状況とも違う。だたひたすら、その場限りのやり取りをしている。刹那的とか投げやりとかとも違う。とにかくこれで、この世界ではふつうなのだ。その後とか、今後とかを、まるで考慮しない人物ばかりで、考慮してそうな人が皆、幽霊的存在であるという…。
絢という人は、とくにはじめて観たときはこの人だけがこの世界の登場人物に合ってないんじゃないかと感じたりもしたのだが、今回は最初からそうだと思ってるので、かえってじっくりこの人物を観ることができた。この作品内の独特のせりふによるやり取りは、絢だけが他の人と違ったような、逆な自然さと言うのか、何とも不思議なニュアンスになっている気がする。しかしこういう若い女性の演じる映画内の人物の存在の仕方として、ちょっと今まで見たことがないという感じがする。
こちら側の世界ではない人々は、皆すごく寂しそうというか、わりと明確に拒否されてしまい、居心地が悪そうに、ひとりでとぼとぼと歩き去るか消えてしまう。けっこう可哀想な雰囲気というか、むしろ現実の我々に近いのは、これらの寂しげな人々の方かもしれない。古賀さんや中西の方が、あの世っぽい感じだ。というか、そうなのかもしれない。
「古賀さんでも、そんな風に思うことあるんですね。」みたいなことを言われていた古賀さん。こういう大人になれたらいいだろうと思うが、それは無理だなあ。