ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ


昨日だが、夕方から新宿に行って、ツタヤに行ったりちょっと酒飲んだりして、時間をつぶしたあと、新宿K's cinemaで「ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ」を観る。


ああ、これはまた面白い映画だと思った。何の問題もない、いや、問題があっても、それはその中でのこと。薄い膜に包まれたかのように、その場にいる。はじまってただちに、これはきっと、ずっとこのままだなと思い、それはいいなと思う。ただひたすら飲む。お酒もあれだけのべつまくなし飲んでると、一個一個の酒がさほど美味しそうに見えない(笑)くらいに、ずーっと飲んでいる。冷めたピザも、まずそうだが、それはそれで、なぜか美味しそう。そして、タバコが、じつに美味しそう。タバコをあれほど美味しそうに吸ってるのを、久々にみて、ああいうのを見るとタバコが吸いたくなる。タバコをやめてもう何年経つのか。もしまた吸い始めたら、あるときの時間が蘇ったりするものか、いやそれはないはず。自転車もそう。僕も近日中に自転車を入手する予定なので、とても嬉しい。今日の夜など、妻はカップヌードルを食っていて、バカだ。影響受けすぎである。


近藤さん…良かった。この映画では、特定の誰かを好きにはなるようなこともあまり、ないのだけれども、しかし近藤さんは良かった。中西さんとの演奏シーンでは、僕はじつは密かに感極まりかけた。しかし二人の女性が出てくるのに、この映画では見事なまでにその比較の無意味さ。


見はじめてすぐに、これはきっとこのままだなと思ったのに、途中そうでもないな、これはこれで、色々と何かあるんだなと言うのがわかってくる。でもそれはそれで、まあ、どうでもいいなとも言えるし、でも何なんだろうなと考えてもいい。途中、それを幽霊じゃなくても、そうはっきりしないまま、もっと、もわっとしたまま、と思って、とくに後半ちょっと勝手に、ずっとそういう風に観ていた。


みんなで長靴をはいて川の中を歩くシーンの青空と雲がすごく鮮明で、この雲ってもしかすると冬の雲じゃないかな、、とか、ぼけーっと考えていた。


そうそう、こういうことだ、こういうのがいいんだよな、という思いと、しかし何かムズムズとするような妙な居心地の悪さとを感じながら観ていた。何の居心地の悪さなのか?わからないが、でも、いいのだ。稀なるものとは、こういうものなのだ。


もう一回観ようかなとも思っている。連日21:00からの上映だと、観ようと思えばいつでも観れるではないか。