先週からアラン・トゥーサン1972年のアルバム「life, love and faith」ばかりくりかえし聴いている。あるとき、たまたまシャッフルで「On Your Way Down」が再生されて、これリトル・フィートの曲?と思ったら、リトル・フィートの方はカバーで、原曲がアラン・トゥーサンだったのを知ってそれ以来のくりかえしだ。
僕はニューオリンズっぽさというものを、それほど好きなわけではないし、わかっているわけでもないと思うのだが、この「life, love and faith」はじつにカッコいい。アラン・トゥーサンという歌手の声はまったくサザンソウル的イメージではないというか、白人かと思うくらい細くてたどたどしい感じがするけど、むしろそこがかえって魅力的なのかもしれない。
恥ずかしながらそもそも、アラン・トゥーサンとザ・ミーターズがごく近所の位置付けだったなんて、はじめて知った。「life, love and faith」のバックミュージシャンもほぼザ・ミーターズである。ミーターズの「Cissy Strut」はさすがに昔から知っていたし、これは時代を突き抜けてカッコいい曲だとは思うが、でもつまりはこれこそが、ニューオリンズ(セカンドライン・ファンク)ってことなのか。
それにしてもこうしてアルバム単位で音楽を聴くのがすごく久しぶりなのだ。アルバム内楽曲群が集まって再生されていくのは、やはりある種の強い作用があると思った。とくに昔のアルバムは皆そうで、どの曲も「前の曲」と「次の曲」を潜在的に自曲内に含みこんでしまっているのではないだろうか。だから所謂コンセプトアルバムとかプログレ系のアルバムでなくても、楽曲の並びというのはけっこう重要というか、それを単体に切り離すのが難しいようなところはあるのだろう。