酔客

男四人で呑み会、一軒目のもつ焼き屋は若い人多くキレイ目な女性も多いというか、女性ってホルモンとか好きな人がけっこう多い。二軒目を出て解散して、二人でもう一軒行きましょう御徒町の方に行きましょうとEさんが言う。ここからなら湯島の方が近いじゃないと言うと、でも御徒町の方がいいのだと言う。理由はEさんがその店のスタッフの女性に会いたいからで、そうかさてはワインをニワカ勉強し始めた理由もそれか、店の子を好きになったから何度も通うってじつにカッコ悪いですねと正直な感想を申し上げる。でもあの子って前の会社にいたIさんに似てるよねと言ったらEさん激怒する。ぜんぜん似てない、そうやって自分の昔のおおざっぱな記憶にあてはめて印象を片付けないでほしいと反論するのですいませんと素直に詫びるが、なんで怒るのか意味はわからない。しかしその店員の人、閉店三十分前だというのに入ってきたおっさん酔客二人に嫌な顔ひとつしないで話合わせてくれるしツーショット写真も撮らせてあげるんだから若いのに偉いというか見上げた客商売魂です。我々もせいぜい、人並みに紳士的でキレイな客でいることを心がけなければいけません。