アーティゾン美術館の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」これは素晴らしい展覧会だった。所蔵作以外のはじめて観るような作品も多数あって、とにかく点数が多くて見応え充分である。アンドレ・ドランにしろ、ヴラマンクにしろ、レジェにしろ、どれも佳品が揃っていて、それまでの固定イメージを翻される。ヨーロッパ勢だと好みもあるけどやはりモンドリアンの偉大さを実感するが、戦後のアンフォルメルへと至る展開に、アメリカとくらべてどうしても物足りなさは感じる。ただそれは好みの問題として簡単に言うべきことではない。それがそうなったことの条件と必然があるし、それを見ている私だって、何らかの条件下においてそれを観ている(観させられている)。そのことを意識しなければ意味がない。しかし抽象表現主義の部屋に入ってしまえば、ゴーキーのすばらしさを始めとして、デ・クーニング、ポロック、フランツ・クライン、ロスコ、クリフォード・スティル、ラインハート、ディーベンコーン、フランケンサーラー、ジョアン・スミス、ジャスパー・ジョーンズ…と続いていくのだから、これはひたすら高揚させられる体験に決まってる。マティス展もそうだが、こちらも会期終了までにもう一度くらい観てもいいかも。

(とはいえ数時間館内にいたら身体が冷え切ってしまい、あわや体調を崩しかけた。これまで生きてきて、あまりそういう経験無かったのだけど・・・真夏のうちはどこへ行くにも、羽織るもの一枚必須だ。)