秋葉原の小さなオフィスに来訪者を迎え、少し打ち合わせし、用件が済んだら、あとは一人で留守番みたいな、誰もいないところに一人でいる。たまにPCだけ持って下のカフェにいく。店は混んでいて、客の仕事してる率が異様に高い。隣席の女性はもろにトラブル事案の事情を相手先に説明していて、こんな公共空間でそんな話してていいのかと思うが、まあいいのか。「あまり、いいお話ではなくて申し訳ないのですが……」「前から担当者との折り合いがですね、本人曰くターゲットにされていると……」「ちょっと本人のですね、モチベーションが保てなくなったと、御社にとってもこのままですとご迷惑が……」「そのあたり私からももう一度ヒアリングしてですね、早急に対処の目途を……」よどみなく発される言葉を聞きながら、外の炎天下を、まぼろしのように人が行き来するのを見ている。