忌野清志郎ならこれ!


忌野清志郎の偉過ぎるところは、ソウルが好きだからと言って普通そんな実も蓋も無いことしないでしょ?ってくらい、フェイクなソウルシンガーぶりでステージに立ったことだろう。


この人の場合、とにかく超・写実描写的な、人の生活に根ざした感情に訴えるような部分と、ギャグとして、フェイクとして、日本のロックの偽者エピゴーネンとして露悪的なまでのロックスターとしての部分。いわば「演出の演出」をやる部分の、バランスが見事に最強なのだ。西洋発祥の表現に関わる日本人の鏡です。


忌野清志郎の音楽で一番のお奨めを選べと言われたらすごい困る。。RCサクセションを選ぶべきなんだろうけど。。でもずーっと聴いて来た音楽なので、なんか自分の歴史的に(笑)、もっとも泣けた一枚っつーことでこれだな。グラッド・オールオーバー。


GLAD ALL OVER [DVD]



野音の夏の暗闇が広がっていくのがたまらなく綺麗だからDVDがいいね。思えば、大学入ってしばらくしたら、RCが解散して、あーあ。とか思って、その後RCのことを忘れてしまったら、これがCDで発売されて、で聴いたときは、ほんと感無量であった。と同時に、もう僕も昔の僕じゃないなーとも思った。もう、既に少しずつ、今までとは違ういろいろ様々な音楽を聴き始めてたし…。