Do Loop Vol.1


ドラえもんの漫画入門みたいなのを小学生くらいのとき読んだものだが、そこで4コマ漫画の基本概念みたいな事で「起承転結」というのが紹介されていて、そういう言葉を初めて知った。始まり→継続中→転換した→結果はこれ!みたいなヤツだ。


「起承転結」の「結」をどう捉えるか?は重要だ。「結」は起承転までのすべてを説明し、意味付け、最終的な理解に至らせるための超特権的役割を持つオブジェクトと考えるのはやめたいと思う。所謂「オチ」としての役割から開放してあげるという事。「結」が持つ関係性の強度は、その他の各種オブジェクトが持つ関係性のそれと同一でなければならない。そうでないと等しく並んだ4つのコマである意味がない。…むしろ「結」は嗜好として「起」に滑らかに繋がっていく事が望ましいと考えられるべきもので、その循環性を担う意味において重要なのではないだろうか?と思われる。


テクノミュージックでは、一旦ブレイクして、またどーん!と盛り上げるみたいなパターンがよくあるけど、これは最もシンプルだが受容していてきもちいいモノだ。こういうのには同一のリズムがずーっと、心臓の鼓動の如くかすかに通低している事が肝心で、その基盤上でサウンドの様々なバリエーションを揺らめかせる事で、強弱とか調子とか物語的な意味合いを生成させる事が可能になる。なのでこれも始まり→継続→転換→結果!みたいな4こま漫画の基本構造と同じようなもの。と、言えるといえば言えると思う。かつ、所謂「オチ」としてのエンディングは存在せず、てしなくどこまでも続いてしまうような、ある力の偏りが生じる。これがグルーブである。グルーブとは、果てしなく続く4コマ漫画のようなものである。(ただし4コマ漫画集のような、複数の物語の束のようなものではない。そうではなくて循環するひとつの物語としての4コマ漫画のようなものである。そういう4コマ漫画は既に存在するよ!と言われるかもしれないが、そういう既に存在してる4コマ漫画は、循環する事を目的として構成されている時点で駄目である。ここで試みられている循環4コマ漫画のイメージとは、循環するつもりなど無いのに、自らが持つ力によって図らずも循環としてしか現れないような4コマ漫画なのであり、そういう4コマ漫画は実際には多分存在せず、やはりむしろ音楽などの方にそれらしいイメージが多く存在すると言える)