服飾と私


最近、洋服をまるで買わなくなった。買う意欲がまるで無い。必要に迫られたときだけ買う。でも単純に衣類を見てても、何も面白くない。たいてい、中学生とかから、色気づいてきて、服とか買い出すのは普通の事なのだろうけど、当時僕もなんか色々とくだらない買い物をしたけど、でもやっぱりあのときの胸のときめきというのはすごかったよなあと思う。襟がカッコいいとか袖がカッコいいとか、ちょっとでもそう思うと、もはやそれで頭がいっぱいになってしまう。それを着るのだ、という事すらどうでも良くなる。最初に感じた、その服の「インパクト」を自分なりに「克服」して「我が物」とするためには、とりあえず買うしかねえ!と思うのである。で、買う。お小遣いがすべて無くなる。で、これ誰が着るの?ぼく?…みたいな服が手元に残ってる…みたいな失敗を重ねるのだ。僕は昔から本当にそういう買い物とか上手く組み合わせるとか、そういう世間でいうファッションセンスというかそういうセンスが無くて、要するに思い込みが強いので、大体失敗してきたのである。さすがに最近は、そんな熱い思いも無いしなんでも良いから単純に買って、それを着るだけである。成功だの失敗だのもないし、似合うも似合わぬもない。必要に迫られて買うので、大抵値段の安い店で買う。まあ、たまには値段の高い店で買っても良いけど…でも高い店が嫌なのは、もちろん値段が高いのも嫌なのだが、それだけでなくたとえばそういう店で、まあまあ気に入った服があったとして、でも数万円の価格だけど、でもたまにはそういう買い物も良いか、これ買うか!とか思ったとしよう。…でもそういうご立派なお店にお勤めの店員さんが、どうも必ずしも値段相応の雰囲気を備えた人間であるとは限らないようで、おまえやっすいなー!!コンビニとか居酒屋店員の方がまだ雰囲気あるヤツいるけどなー!?とか思うようなのがヘラヘラこっちに話しかけてくる事もあるのだ。…で、もうそうなると僕なんかは元々のセコイ小心な自分勝手さが剥き出しになって、服が気に入ったとかこれ買うとか、そういうこと以前に、こんな安いヤツに俺様の万札を複数枚手渡す行為あるいはそれに相当する支払行為を断固拒否したい。そして一刻も早くここから遠ざかりたい、という気持ちの方が先に出てきてしまったりもするので、…まあそこいらもむずかしい。まあ大体、若者が多くて、僕がおっさんだからそう思うのだろうが…