「Weekend in L.A.」George Benson


WEEKEND IN L.A.


タモリ倶楽部が「スピーカー特集」と称して、塩ビパイプ管を使った手製スピーカー特集をやっていたので、それに煽られて、買ったばかりのスピーカーで色々聴いていたのだけど、やっぱ聴いていて、ああいいねえと思うのは、音がいいと思ってるのではなくて、その曲がいいと思ってるんで、自分の場合は結局、音がどうとかはまあ、ある程度の基準さえクリアできてれば、あとはあんまり気にしてないというか、結局、音がいいねえと思えないとちっとも面白くない、というのはあるなあと思った。


で、テレビの中では試聴サンプルにたしかクルセイダーズを使ってたので、なるほど試聴はやっぱフュージョンっつーかジャズロックかと思って、棚を物色してたのだが、あんまりそれ系のヤツを僕は持ってないので、手持ちのを色々適当に聴いていた。ジョンスコの一連のヤツとかは全然面白くない。ジョンスコはもろにジャズをやってる方が全然いいと思う。あとキースジャレットのStandard Vol.1の最後の曲。これも散々聴いたのでもう聞き飽きた。でもたまに聴きたくなるのでなにか依存物質でも含有されてるのかもしれない。あとは久々にSteve Colman & the Five ElementsのDrop Kick。全然フュージョンじゃない。自分のライブラリだと結局これ系が多くなる…でもこれは超傑作アルバム。大昔から聴いてるけどいつもすばらしい。とはいえ、久々に聴いたら、以外と音が薄いように感じられた。まあライブ盤とかの熱さがすごいから問題なしだ。その後なぜか繋げたくなってエアロスミスを何曲か…で、その後は、超・久々に聴いてああこれはやはりすごい傑作だなあ、と思ったのがタイトルの作品である。モロにべたべたにイージーリスニングフュージョン、という印象であるが、僕の中ではこれはフュージョンというジャンルの比較を絶した最高峰に位置する一品である。と思った。こういうのを、「ソウル」と呼ぶのではなかろうか。圧倒的な粘りとうねりとしなりで、これこそがファンクと思わざるを得ない。穏やかで、さらっと聞き流せてしまえそうな印象でありながらも、とてつもない高みで謳い上げるギター。その一部始終を、生々しく捉えた録音。とかなんとか、ほめ言葉だけいっぱい書きたくなるくらいうつくしい。ジョージ・ベンソンってキモイ顔してるけどやっぱり偉大だと心から思える。邦題の仰々しさは決して伊達じゃないという感じ。(補足:このレコードの邦題は「メローなロスの週末」でした)