遊園地という場所は、遠くから見れば観覧車とかジェットコースターとかが折り重なるように見えて全体的に発光しているようで、すごく楽しげでうつくしく華やかな感じに見えるものだが、実際に敷地の傍を歩いていると、目に付くのは雑草の生えた地面からいきなり何本も連なって高々とそびえる巨大な遊戯物の支柱とか鉄骨とかばかりで、敷地の真下にいる分には、遊園地というのは雑然とした空き地をベースに鉄骨を無数に並べて何かの土台とさせているだけの、まともに日も差さない鬱蒼とした木立のような場所で、いわゆる遊園地らしさというのは、地上から少し浮き上がった十数メートル上のところで営業時間内の電源の入ってる時間帯だけ人々の立っているデッキのかたちに浮かび上がっているようなもので、遊園地の敷地と遊園地自体は、ほとんど何のつながりもないと言って過言ではない。だからいくら遊園地が好きだからといっても遊園地のそばに住むのだけはやめたほうが良い。というか遊園地なんて好きになってはいけない。好きになってもしょうがない。
しかしそれにしても支柱や鉄骨のものすごく荒々しいというか生々しいまでの鉄鋼材の感触が面白かった。とにかく徹底的にリベットがびっしりと打ち込まれていて、組み合わされて下位から上位にいたる強靭な構造を形成していて、全体にはピンクとか黄緑色とかのやたらと鈍い柔らかい色のペンキで一様に塗りつぶされていて、でもやっぱり遊園地が妙に懐かしさを感じさせるのはこの鉄鋼工業時代的な一時代前の匂いも一因だろうなと思った。
書いててどうにも、ああつまらねーなーくだらねーなーと思いながら書いていて、よっぽど途中で捨てようと思いながらも、今聴いてる「W.A.R.M.T.H. Radio-Orlando Voorn- exclusive mix-January 01-2011」がとてつもなく良い感じで、このMIX自体がまるで遊園地のように儚い感じに思えて、その事だけに背中を押されてついここまで書いてしまった。