寝ろ


睡眠不足はよくない。ちょっとくらいなら大丈夫、その油断が命取りだ。睡眠不足は少しずつ僕達の心身を蝕む。あっというまに骨の髄まで食い尽くされる。こんな生活を繰り返していたら、いまにきっと、取り返しのつかないことになる。気付いた時には、あとの祭り。後悔してももう遅い。そうなってはお仕舞い。人生の終焉。そんなことでいいのか?どうなの?よくないだろ?な?よし。じゃあ寝よう。寝るのだ寝るのだ。今寝ることに何の意味があるのか、いまのお前にはきっとわかるまい。でもいつかきっと、あのとき寝ておいて良かったと、こころから思える日がくるに違いない。それを信じるのだ。何も考えるな。何も求めるな。ただ信じるのだ。そして寝よう。さあもう寝よう。遠慮なく寝よう。堂々と、自信たっぷりに、大威張りしながら寝よう。満面の笑みを浮かべて寝よう。大笑いしながら寝よう。そうだよ君は、今よりもっとずっと、幸せになって良い人なんだ。いや、俺は誕生日で今日で四十歳なんです。へえ、そうなの?そりゃおめでとう。じゃあいっぱいやろうか。家に来るかい?いやダメだダメだ。早く寝ろ。寝ろ寝ろ。一刻も早く寝たほうがいいって。すぐ寝ないと直らないよ。まじで寝るのが一番の治療だからね。そうだっけべつにどこも悪くないんだっけ?でも寝なっって。いいから寝ろって。悪いようにはしないから寝てろって言ってんの。