本郷


 起床10時?だと思った。聴いてないレコード聴いた。その後、出かけた。すごくいい天気。歩いている途中でコートを脱いだ。

 北千住に行って図書館で本を返し、上野まで移動。松坂屋で母宛てに荷物を配送して、湯島まで歩いた。坂を上って、湯島天神の入り口を通り過ぎて歩き、途中で食事して、また歩きながら折り返す。本郷から東大の中を突っ切る。東大の医学部の古めかしいレンガ作りの校舎はいつ見てもすごいと思う。レンガの質感もそうだが、むしろ窓枠の感じに古さが濃くあらわれている。どの建物も古い外観の周りに空調のダクトが後から増設されていて、まるで医療器具を付けられて治療されているみたいにも見える。昔は空調設備などなくて、どの部屋にもストーブとかがあったのだろうか。今はなかなか、それは危なくて駄目なのかもしれない。

 東大に限らず大学は皆そうだろうが、まるで共同住宅のようだ。住まいの場を共有しているのではなく、行為を共有するというのか、それぞれが別の行為をしているがゆえに、効率と合理を促すために共同で寄り合うための施設だ。これは当たり前のことに過ぎないが、実際に建物を見ていて、あの二階にも三階にも、それぞれ人が詰まっていて、それぞれ何か研究したりしていると思うと何ともふしぎな人間の行為の詰め合わせを外から見ているように思われて面白かった。

 弥生門から出た。かなり激しい高低差を行き来しながらしばらく歩いて根津神社。つつじが有名とのこと。入り口から歩く脇に植わってるあれが全部つつじだろう。ぼくはつつじといえば駒込駅を思い出す。本殿はお参りの人が数人順番待ちしている。鳥居がいっぱい並んでいるところの、ところどころ苔の生えた土が、霜柱でひび入りながら盛り上がっている。こういう土の感じはとても懐かしい。冬の、湿った冷たい空気をいぱい含んでいるような土独特のふかい黒さ。面白いので足で踏んでみるが、意外にぐさっと潰れない。

 神社を出て、それからさらに歩いたが、そこからどんな感じだったかちょっと忘れた。(いや、今思い出した。汐見小学校を見下ろしながら歩いて団子坂まで歩いた。それで)かなり商店の立ち並ぶ感じになってきて、やがて千駄木駅に着いた。千駄木駅の、北千住方面のホームまで。代々木上原方面のさらに下にある。地下鉄の線路が上下二重になっているのは珍しくもないが、よくよく考えてみるとすごいことだ。千駄木の駅もずいぶん古い。地下鉄の駅特有の古めかしさだ。隣の根津駅は最近きれいになってしまった。

 電車に乗って北千住まで戻って本屋を見て帰った。