新橋とか、五反田とかの、カプセルホテルに付属のサウナと風呂の、ビルの屋上にいい加減につくられた露店風呂の、プラスティックでできた岩の積み上がった上からお湯が出て下に注がれているときの、ぼこぼこぼこと音のするのを聴いているときと、場末のもつ焼き屋でもソバ屋でも串揚げ屋でもなんでもいいけど、カウンターに座って、無言の店員が見下ろす下から、ぼこぼこぼこぼこと、何物かが揚がる音を聴いているときと、どちらも、これから何か、よからぬことが始まる、それまで目をそむけていたはずの何かが、いいかげんな気持ちで、軽はずみに実行されてしまうかのような、その土台が出来てしまったかのような気体と不安を感じる。のだ。