紫の雨


望まぬ結婚でした。愛情も何もないまま、家庭に入って、主人に仕えてきました。夫の仕事を影で支えて参りました。そうです。この家は、私が守ってきたのです!


あの店の嫌なところは、まず入るとかなり饐えた匂いがするのに、誰も気付いてないか気にしてない。で、出されたコップが大抵汚れていて、しかも注がれた酒をよくみていると、何か細かいものが浮いて、液体の中を上下に移動してたりするし、金を受け取ってお釣りをもらうときの店員の手がベタベタに濡れていて手アレでボロボロで、あと醤油皿にまだ水気が残っていて、醤油を入れると平気で水に薄まってしまって、酷いときだと、残ってた洗剤で軽く泡立ったりする。だったらむしろ清潔か。でもひどい。でも行くんだから僕もばかだ。


今いるこの北向きの部屋で、いま窓を開けて、涼しい風を入れた。とりあえず今期初の、夏の前段階を実感した瞬間。明日から連休だ。でもついこの前まで週末だったし、その前の週末も、ついこの前だったような感じ。


いったい、どうなってしまうのか!!