帰宅、食事後、エリック・ロメール「クレールの膝」を観る。昨日観た「海辺のポーリーヌ」もそうだが、なんかほとんど、いきなり水浴図、みたいな、天国的な、人の形をした神様のような者たちが、勝手に、わいわいと楽しんでやっているのを観てるだけみたいな、近いようで相当遠い出来事のような、夏休みとか長い休暇だとしても、これほど永遠的な時間が、現実にありうるだろうかと思うような、…これはまだちょっと、言葉に上手く出来ない感じ。古いVHSの画像なので画質はかなり劣化しているが、そんなことは些細な事に思えるほど、冒頭から度々出て来るモーターボートが素晴らしく、湖と遠景の山々が素晴らしく、降る光の質が素晴らしく、景色の中の人物たちも、ほとんど光と物質の一部みたいになって存在していて、ひたすらえんえんと、どうでもいいようなお喋りが止まらず、あっちへ行ったりこっちへ消えたり、性愛・欲望といったモチーフで、物語が進んではいくが、それが主題であるようには感じられず、ただひたすら、愚かしいほどな、人の形をした何物かの、単純な動きと言葉とが展開されているのを、なぜか飽きもせずにひたすら眺め続けている感じである。そして「海辺のポーリーヌ」もそうだったけど、本作も終わり方がカッコいいですね。