レンタル

https://natalie.mu/music/column/308017

とても詳細に過去の経緯が書かれていて、ああなつかしいと感慨深くなる。ジャニスは数回しか利用したことがない。自分にとっての「ホーム」は系列店で当時池袋北口から徒歩三分ほどの雑居ビルに入ってたサウンドボックスで、ここは大学に入った90年初頭から週に一度か二度は通っていたはず。店を知ったのも自力というか、前情報も何もなくレンタルCDの看板を見てあの雑居ビルに入っていたのだ。事前にネットで情報検索ばかりしている今の自分を当時の自分が見たら嘲笑するかもしれない。洋楽レンタル一年禁止の流れもその後の閉店の流れもおぼえている。閉店の知らせは、店頭のスタッフの女性(いつもいた、とても可愛い、たぶんあの店に通う皆があの娘をなんとなく好きだったはず)から、会計のときに「じつは当店は今月末で閉店になります…」とかそんな感じで直接聞いたと思う。上記の記事によれば閉店は93年とのことで、サウンドボックスがもともとはブラック系を主として扱う店だったのが、方向転換して別のやり方を模索したもののやむなく閉店ということで、結果的には僕がはじめてかの店を訪れたのはすでにレコードが全撤廃後でラインナップもカテゴリ全方位な感じだったから閉店まで秒読み段階だった時期にあたる。結局あの店に行ってたのは三年かそれ以下だったことになるので、そうか、そんなものだったのかと思う。

当時の池袋は音楽購買環境としてはパワフルで、CDショップに関してはまだwaveもあればunionもあればciscoもあればrecofanもあって、たしかに「サウンドボックス」や「ジャニス」ほど独自なレンタル店は他に知らなかったとはいえ、当時は古今東西の様々な音源がどんどんCD化されていく流れの最も激しい時期で、とくにジャズはすごくて、色々な音源が毎月のようにCD化されて「なんだかわからないけど今はとにかくすごい状況かもしれないぞ」とは、感じていたかもしれない。開店や閉店は、今も昔もいろいろあったし今後もそうだろう。

あれから四半世紀を過ぎて、まさか今になってジャニスが閉店し、そのことが惜しまれ、音楽環境とか時代が云々などというニュースを読むことになるとはまるで予想してなかった。