帰宅途中の道沿いにあるコンビニがリニューアルのため二週間ほど前から閉店状態で、内装の工事をずっとやっている。目張りされたドアの隙間から、すでに什器とかレジ台とかも設置されているのが見える。先週までは店内に何もなく、ガランとした広いスペースがあるだけで、再オープンは一週間後の予定と記載されていて、これでほんとうに間に合うのかと、他人事ながら心配になったけれども、後日またふと店内をのぞいたら、ピカピカに磨かれた床の上で、徹夜明けなのか五、六人の若い職人たちが、床の上に直に寝そべって、思い思いの恰好で微動だにせず熟睡しているのが見えた。一個の電源タップが床の中央に置かれ、そこから細いコードが各人の方へ伸びていて、それぞれのスマホを充電させているのだろうが、まるで睡眠中の人間に電力が供給されているかのようだった。いきなりそんな光景を見たので、一瞬、集団毒殺事件の現場っぽいというか、あるいは寝て鑑賞する現代美術の展覧会場の様子を見たというか、とにかく突然別の世界が目の前にあって、おぉっとなった。ホームレスが路上に寝ているのを見た感じとはちょっと違って、ホームレスの場合も唐突なのだけど、あれはむしろ、おっと、ここがホームだったのかと、こちらが気付くという感じだ。