まるで知らなかったのだが、たまたま紹介記事(URL)を読んで聴いてみたら、これが久々にいいと思える感じだった。引き合いに出すのが古過ぎて恥ずかしいがR.Kellyの95年の2ndをはじめて聴いたときの「え、こんなに地味でいいのか?しかしこれはいい!」と感じて以後ハマリまくった時期を思い起こさせる。数日前にソランジュの新作を聴いて、ああやはりこういう茫洋としたつかみどころのない雰囲気なんだな、これこそが最新型R&Bなんだろうなあと思い、そういえばフランク・オーシャン「Blonde」をはじめて聴いたとき正直よくわからなかったことも思い出しそうになり(いや、もしかして今聴いたらいいかも…)、最近のサウンドは、なかなか今の自分には、難解なんだよなあ…とも思っていて、本作「H.E.R.」もある意味、まるで派手さのない地味なアンビエントのような仕上がりではあるのだが、しかしこれはなぜか、とてもいいと思ってしまった。この地味感なら、僕は好きなのだ。