良き組織

風邪の症状は、さほどでもない。ダメージはほとんどない。たぶんこのまま、回復へ向かう。休暇前日にこうして残業するのは阿呆らしい。残業してもいいやと、自分に許可してしまっているところがダメだ。オフィスの自分らが座っている場所以外がすでに真っ暗になっている。この雰囲気に慣れてしまうことは簡単だが危険だ。今後、どうしてもそうなる可能性も少なくないけど。でもなるべくあらがうのだ。通常のソトヅラにおいてはそんな思いは表に出さないけど、内面ではあくまでも早く帰りたい人の意志をもちつづけるのだ。

ただし組織化人間として生き残り、生き延びるための所作もまた必要。コソコソしたり阿漕な手段ではなく堂々と。下請けは下手に出てコソコソするのだが、卑屈になる必要はまったくなくて、堂々と自信をもってコソコソすること。それが大事。オープン、フェア、クリアな活動を。こんな建前みたいなスローガンみたいな言葉を、まともに信じるなんておかしいとか、夢見がちで現実を見てないとか、ほんとうにそうだろうか?もしあなたがこの先、絶対の窮地に立たされたとき、むしろこんな言葉しか、自分を支えてくれないのかもしれないのだぞ?この世のあらゆる利益追求型組織体に、もし良い側面があるのだとしたら、それに属する我々が、そんな言葉を愚直に信じる余地がまだあるかもしれないからじゃないかしら?今後、あなたが心身共に、本当の意味で追い詰められたときに、この場所が、きっとそう信じたいと思う構成員たちの集団であること、その予兆を感じることが出来るなら、それが地獄の底におけるかすかな救いなんじゃないか?