あまりよく知らないけど、詐欺の「受け子」「出し子」は、もっとも危険な役割を担ってる犯罪組織の下っ端ということだろう。彼らはいわば使い捨ての駒で、犯罪組織は彼らをトカゲのしっぽのように扱うことで自らの安全を確保してるのだろう。下っ端の彼らも、目先の報酬が目当てでそれをやるのだから、我が身のリスクに無自覚なのか甘いのかはともかく、与えられたミッションにひとまず納得はしているのだろう。

ならば戦争における兵士が、まさに「受け子」「出し子」だな…とは思う。彼らは自分を説得してそれぞれ自分なりに納得して従軍し、恐怖や不安と対峙する。それ全部を「仕事」だと思って受け入れてる。国家のためとか故郷のためとか家族のためとか思わされて。

やらせたがってるヤツがいるのだ。我が身と家族の安全だけは確保しつつ、もっともらしい枠組みをつくりだして他人を動かす。そういうのが得意な連中というのが、今も昔もいるのだと思う。

戦争だ、さあ銃を取れ。攻めてくる敵をやっつけろ、と命令されたら、わかった、ならばまずお前を撃つと言って、その相手を撃ち、続けてその上位の連中を探し出して、そいつらも撃つ。殺人を強要されたのだから、まずはその相手から殺すのが道理である。戦争という枠組みはひとまず私に無関係である。

強要された規則にしたがって、知りもしないどこかの誰かを撃ったり撃たれたりするよりも、どうせなら、やらせたがってるヤツを探し出して、その連中を相手にしたい。そのほうがまだ少しだけ「世界に貢献」な気がする。

もちろん、決してそうは出来ない、そうならないように周到に仕組まれているのが辛いところで、本当の相手には出会えず「黒幕」は決して姿をあらわさないのだろうけど、だからと言ってあきらめて従順にしてる必要もない。

こういうのも「陰謀論」ということになるだろうか。しかし人間、最期の最期は、陰謀論でも信じて身のふり方を決めるしかないのでは…とも思う。