エスは、1969年のファーストアルバムに2つのカバー曲を収録していて、ひとつがビートルズの"Every Little Thing"で、これは今聴くとやや大げさな解釈に感じられるのだけど、はじめて聴いたときは、うわーすごいと感動したものだ。で、もうひとつがバーズの"I See You"で、そのことを思い出したというか、たまたまシャッフル再生でこの曲がはじまって、これはもう、すっかりバーズ。バーズの聴いたことのない、あるいは聴いたけど忘れてるテイクだと思って、演奏者名を見たらイエスだったので驚いた。すぐれたカバーはオリジナルよりもオリジナルらしいものだけど、イエスによる"I See You"はまさにその典型だ。曲の後半はジャズ的に拡散していくのだけど、その手前まではギターを演奏しているのがロジャー・マッギンではないと言われてもにわかには信じがたい。ちなみに初期イエスのギターはピーター・バンクスで、スティーブ・ハウはまだ加入前である。とはいえどちらも似た傾向のギタリストに感じられる。

で、続いてシャッフル再生されたのは、曲名は知らないけどこれはフィッシュのライブ。そう思って聴いていたのだけど、演奏者名を見たらリトル・フィートだったのでまた驚いた。アルバムはライブ盤の「Waiting For Columbus」で、曲は"Old Folks Boogie"で、カバーじゃなくてリトル・フィートの曲をリトル・フィートが演奏している。超有名なやつで、なぜわからないのかと思うけど、しかしフィッシュに似てる。いや、70年代のリトル・フィートに、90年代のフィッシュが似ているのであって、その逆ではないのだけど、聴いてるかぎりはそう思ってしまう。これをもっとユルユルにしたら、もろにフィッシュだなと思って聴いてる。