ここ最近、肌寒くなってきたとの声を聞くが、だからと言って油断はできないとの思いがある。

なにしろ三か月以上、酷暑のなかを這いずり回ったことの恨みつらみが、いまだに消えてない。したがって今さら冬の準備をと言われても、そうそう直ちには信用できないとの思いがある。

たとえ今、そこそこの寒さを感じたとしても、どうせ数時間後には、そうじゃなくなる気がしてならないし、たとえ今週七日間の朝晩が肌寒かったとしても、どうせ来週になればまた真夏日が戻るに違いないと心のどこかで思っている。

だからリネン素材のジャケットを、この先いつまで着ていたってかまわないし、もしかすると去年買ったコートを今年は出さずじまいで、来年または再来年、せいぜい数年に一度くらいの頻度で、ごくまれにしか着ないことになるかもしれないと思ってる。

季節の果物だって、近海で取れるカツオだって、畑の朝採れ枝豆だって、こうなったらもはや年がら年中いつでもスーパーに売ってていいと思ってる。