身を切るような、と言うのか、何と言うのか、とにかく寒い。極度に冷却された強風を全身に受け止めながら歩く感じ。でも小学校の校庭に整列している小学生たちは皆、体操服の半袖半ズボンだ。信じられない。明治時代じゃあるまいし、なんという格好をしてるのか。身体的には本当に大丈夫なんだろうか?凍傷や低体温症にならないのだろうか…。おそらく大丈夫なんだろうな。たぶん僕の方がおかしいのだ。しかしいくらなんでも半袖半ズボンとは…。
大きな工場の敷地内に消防車が数台止まっており、ホースが大蛇がうねるかのように地面を這っており、そのホースの行き着く先の遠くで、消防士の格好をした人たちが放水をやっている。それをきちんと整列して微動だにしない男女が見つめている。この寒空の下で、あんなにマジメに整列してるのはものすごい。小学生並にすごいと思う。おそらく出初式、というやつだろう。やたらと気合の入った数人がホースを構え、勢いよく放出される複数の水のアーチが交差し合って、その少し下に虹がかかっている。虹というのは、寒さを感じさせるものでもあるなあ、と思った。あまりたくさん水を撒くと、そのまま地面が凍るかもしれないからほどほどにした方がいいんじゃないかとも思った。