絶対安全剃刀


高野文子「絶対安全剃刀」を読んでる途中。まさに初期作品集という感じの多種多様なごった煮な感じで作品が並んでいる。幻想的な詩的なやつでも、良くも悪くもキレイにまとまってなく、謎というかやや隙を残すようなものもあって、しかしそれがかえって可能性の広がりにも思えてくる。作品によっては70年代後半から80年頃までの空気が濃厚に匂うやつもあり、これが自分にとっては、もうやたらと懐かしいような、自分が小学生の頃に、自分よりも何歳か年上のお兄さんやお姉さんたちの漂わせていた空気が、モロにそこに展開されてしまったようで、ほとんど眩暈をおぼえるような、とてつもなく鮮やかな過去の再来という感じだ。