髪、枯葉

正午過ぎに髪を切りに行く。今日で二回目となる美容師さんと世間話しながら、それにしても真面目さが伝わってくる人だなと思う。施術者として、納得、満足してもらうために、的なことを、まっすぐに信じているかのような、いやー、まあ形だけで、だいたい、適当でいいんですよー、みたいな態度や発想があることなんか、思いもよらないみたいな。この真面目さに応えるには、こちらも一応それなりの髪への知識やこだわりを、少しでも持ち合わせて挑まなければ、かえって失礼にあたるのではないかとすら感じてしまう。もしかして今後、回数重ねるほど気楽で疎通し易くなるというよりも、じょじょに客としての成長とかより明確な目標とかを求められてしまいそうな感じさえある…などと言ったらかなり大げさだが。しかしそれまで二十年近くの間、自分の髪をやってくれてた美容師さんが、そういうところの一切ないまるで緊張感を感じさせない人だったので、余計にギャップを感じる。

美容師さんともお決まりのようにして交わした話題だけど、今年は、というか今年も、気候が妙なことになっていて、今日だって11月とは思えない温かさであるし、まともに木々が紅葉するわけがないとも思う。とはいえ、小石川植物園の紅葉の進み方は予想よりもかなり良かった。もみじはまったくダメだったけど、スズカケノキメタセコイアなど、青空に貼りついた絵の具のように鮮やか。おそらくあの公園で(撮影者を集める実力ランキング)一番人気がナンキンハゼであろう。正直例年とくらべて今年の仕上がりは劣ると言わざるを得ないが、それでも少しの間は見上げていたくなるくらいには出来上がっていた。