バスター・キートン


今日も寒い。部屋にいても寒さに包まれる感じだ。夕食の食材を買いに少し外出しただけだが、帰宅後さらに寒いと感じる。やばいな、これ、風邪ひく前触れじゃないかとさえ思うが、いやいや、そうではないそうではないと自己暗示をかける。


バスター・キートン傑作集(1) 」(「文化生活一週間」「ゴルフ狂」「案山子」「隣同志」「化物屋敷」)をDVDで観る。完璧なる人間ピタゴラスイッチ。あるいは任天堂マリオとかの人間による完全再現。それも1920年の時点で、すでにだ。3D物理演算の結果をリアルに再生しているのをじっくり見ているかのような凄さだ。くるっとバク転したり殴られて遥か彼方へ吹っ飛んだりするときなど、カンフー映画とかワイヤーを使ったアクション映画的とも言えるが、でももっと正確で冷静な視点で動きが捉えられているので、どちらかといえばテレビゲームっぽいというかリアルタイムで演算された結果っぽく見える。走ってくる人を避けて二階のドアを開けたらそのまま外に飛び出してしまって、きれいな放物線を描きながら地上に降りてしまうあたり、おお、これぞ「エネルギー保存の法則」とか言いたくなる。この世界に法則が厳密に効いており、万物はその影響下にあるが、登場人物は高いところから落ちても死なない。物理的に破壊されない。なぜなら映画だから。だから映画を終ったら、消える。みたいな、そういう計算とルール設定の結果そのままという気持ちよさ。