腐海

けっこう降っている。今日一日降り続くのだろうか、と思いながら近所のスーパーまで出かける。外を歩き出して、あ、マスクするの忘れた…と思う。マスクせずにこうして外を歩くことの、大げさに言えばかすかな反社会的行為の予感、例えば歩きタバコで歩いている人なら、多少は周囲に対して、やや憚りながらの思いと、煩いこと言われるかもしれない危険への構え、自己防衛心の、ささくれた気分というか、そのようなことを思い浮かべるのではないかと、それに近い状況が今マスクをしないで歩く自分かもしれないが、実際のところマスクせず外を歩いている人は、意外に多い。マスクなんか、してもしなくても…という言葉と、マスクをせずに外出して外で最初の一呼吸を胸に吸い込んだ時点で、一気にウイルス感染したかもしれない、すでにこの世界は、瘴気に満ちた"腐海"のような場所になり果てているから。そんな妄想が混交する。