調理器具

妻のメガネのレンズを買い替えた。出来上がりは来週。さらに小さめの鍋を、ひとつ買った。必要なのだそうだ。僕は、二号徳利を買った、熱燗ならこのサイズがいいと、かねがね思っていた。

お店に並んでいる調理器具や食器を眺めていると、たぶんもっと自宅にいろいろ、ほしいというか、必要な気もしてくるのだが、でも本当にそうなのかがわからない。結局使わないのではないか、もてあますのではないか、収納に困るだけではないかとも思う。べつになくても、さほど困らないだろうとも思う。だから買わずに済ませることが多い。

そうなのだけど、それじゃないかもしれないけど、きっと何かは、ほしいのだろうけどなあ、なにかを足りないと思ってはいるのだろうけどなあ、とも思う。

結局買わないけど、その不足感、その欠損感は、まだ消えないのだろうなあ、と思う。買ったほうがいいものもある。たとえ今すぐに使わずに、棚に積み上げておくだけだったにしても。その意味で、調理器具と本は似たところがある。