高野文子「黄色い本」を読む。高野文子初体験。とくに「マヨネーズ」という話が、ほんの数十ページ程度の短い、あっさりとした、シレッとした手触りの、なんてことない淡白そうな話のようでいて、その裏側におそろしく濃厚なものがひそんでいるようなすごい話で、感想を書こうと思ってもなかなか手ごわくて、さっきも読み返していたのだが、作品全体をおおきく掴むには、もうちょっと時間かかりそう。


主人公たきちゃんや、他の登場人物の、とにかくひたすら、屈む姿勢のすばらしさ。デスクで、袖机の一番下の引き出しを開けるために坐ったままで上半身だけ屈んで、その際に机の下の世界をのぞく。コピー機に紙を入れる、ごみを拾う、鞄にものを詰める、、、そうかオフィスって、こんなに皆が屈んでいるものかと思う。屈んでいる姿勢を、誰かがみているというのか、スネウチさんだけはおそらく主人公たきちゃんが見ている視点で現れているようで、それら全体を、真上から見下ろす視点もある。まずはその多様に重なる視点の変化を見ているだけでも面白い。