昼過ぎに六人で集まった。浅草は久しぶりだし、もしかするとこれまで夜ばかりで、日中に来たのは今日がはじめてか。さすがにそれはないか。昼間の浅草寺が、やけに新鮮に見えた。まさに観光地の賑わいと大変な人混み、日差しは熱を含み、冬の気配まるでなし。

僕が最年長で、KさんとEさんがたぶん40歳過ぎくらい、あとMさんSさんIさんが三十代後半か。この人らと年に数回集まるようになって、もう十五年くらい経つのか。十五年も経つのに、誰もがぜんぜん変わらない。それとも、僕が知らないだけで、皆さんそれぞれ、いろいろと変わった出来事や身辺事情もあるのだろうか。それはそうかもしれない。しかし時を経てなんとなく疎遠になっていくとか、結婚して家庭をもってとか、仕事が多忙でとか、いつ会っても、そういう話がまるで出てこない。立場も境遇も、誰もの外見も内面も、いっさいそのままで十五年という感じを受ける。ただ自分だけが、老けていくような気もするし、そもそも年齢差って、なぜ縮まらないのだろうと思う。

Mさんから自家栽培ディルを大量にいただく。家の庭にまるで叢のようになった写真を見せてもらう。おかげでディルレシピから自宅の夕食メニューを考えるのが楽しみになった。ディルって頻繁には使わないけど、必要なときにかぎってどのスーパーにも売ってなくて困惑させられる食材の代表に思う。ふだん自家栽培してあれば最高に便利なのだけど、なかなかそこまでは出来ない。

一軒目を出て、周辺を散歩した後、神谷バーを訪れ、電気ブランをはじめて飲んだ。カクテルで言えばマンハッタンを思わせる、適度にハードでなかなかの味わい。この店はさっと入ってさっと食券買って、そのへんのテーブルで立ち飲みで飲んでさっと帰れるような作りになってるところがいい。もし一人でのむだけなら、数百円使って所要時間数分で済むわけだ。こういう店が仕事先のそばにあったら重宝なんだけどなあ。