2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧
横浜駅に駅ビルは幾つもあり、どの商業施設も地下には食品売り場があって、そこには野菜も肉も魚も売っている。閉店ぎりぎりの夜九時前に鮮魚売り場を少し見たら、カツオのサクが売っていたのでつい買ってしまった。今から一時間半後くらいに帰宅して、寝る…
描写ならば、最強の形式はやはり俳句なのかもしれない。俳句の強味は、全体を感受するのにほとんど時間が掛からないことだ。つまり、描写された対象と実際の知覚や経験とが、かなりの精度で重なり合う。というよりも、再現前化ではなくて、今いきなり、ここ…
新宿武蔵野館で、デビッド・ヘルツォーク・デシテス「ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家」(2024年)を観る。 ミシェル・ルグランと言われても、ぼくはそれほどピンと来ない。曲が聴こえてきて、あ、これってあれじゃんと思うとしたら、それはビル・…
まだ暑かった。銀座の南天子画廊とart space kimura ASK?で岡崎乾二郎展を観る。九〇年代前半の作品。その研ぎ澄まされた感じは、まさに「今」である。同時に、時間は時間として経過しており、この作品(物質)に対して流れた時間は、すでに三十年以上の長さで…
ヒロシマとナガサキに原爆が投下され、物理学者リーゼ・マイトナーは一躍有名になる。ユダヤ人で原爆の母だとか、ヒトラーの制止をふりきって脱出したとか、新聞にでたらめな見出しと記事が載って、マスコミから取材が相次ぎ、挙句の果てにはハリウッドで映…
命からがらのドイツ脱出を経て、ストックホルムにたどり着いたマイトナーは、その直後にドイツのハーンからの手紙を受け取る。それが史実ではあっても、この展開だけであまりにも出来過ぎだし、劇的すぎる。 オットー・ハーンは、リーゼ・マイトナーの力にな…
ナチス政権下のドイツにおいて、連合国側のスパイ活動あるいはレジスタンス活動した人たち。リスクを承知の上で、自分の為すべきと思うことを為す、同胞を助ける、その志は気高く、賞賛されるべき勇気だが、しかしそれはすべてが過去になった今だから言える…
横浜スタジアムで、阪神タイガース-横浜DeNAベイスターズ公式戦を観戦する。野球にまったく興味ないのだけど、相撲の升席みたいな、囲われたスペース枠内でお弁当も出てビールも飲み放題の席を、人からご招待いただいたので参加させてもらった。集まったのは…
マリッサ・モス「リーゼ・マイトナー 核分裂を発見した女性科学者」を読んでいる。著者マリッサ・モスは児童文学作家とのことで、ですます調のいかにも子供向けなやわらかい文体で書かれた本だが、内容はシビアというか過酷の極みで、まさに息つく暇もない、…
世界陸上、走高跳の選手“眠れる森の美女”ヤロスラワ・マフチフさんの話が面白かった。 ある意味で、裸体を晒すのと同等…は言い過ぎかもしれないけど、何の自意識も衒いもなく、自分が眠る姿を、ここまで世界中にあっけらかんと見せた人も稀ではないか。(さす…
今年は、じつによく秋刀魚を食べる。たくさん売ってるから、つい買ってしまう。居酒屋でも、あればつい注文してしまう。またかと自分でも思うのだが、食べれば美味しいので、今年はこのまま、さらに食べ続けることになりそうだ。 スーパーの鮮魚売り場で、い…
なんとなく、ふと読みたくなって、大岡信「折々のうた」の古本をネットで探し、岩波新書1巻~6巻セットになったやつを、ヤフオクで買った。それが今日届いた。適当に開いたら、最初に出てきたのがこれ。 泥鰌浮いて鯰もいるというて沈む永田耕衣 なかなか、…
AIも、投資も、原子核の研究も、似ているところがあるとすれば、それは自然本来の特質を利用して、何とかして目的にかなう方法で運用することが出来ないかかを、色々と手を変え品を変え試して、ひとまず暫定的な結論として、これなら行けるんじゃない?とい…
研究を重ねるうちに、自分らの研究対象が、とてつもない強大な力を生みだす可能性に気づく。それは未だ人類が体験したことのないほどのエネルギーであり、自らを滅ぼすことにもなりかねないほど、その威力はすさまじい。 自らの手でそれを取り扱えるならまだ…
核分裂に関する研究開発において、ハイゼンベルクはナチスドイツの命運を左右するほど重大な事案の責任者であり、ある意味で第二次大戦の行方にかかわるキーパーソンと言っても過言ではない人物であるだろう。 しかしユダヤ人を排斥していたドイツは結果的に…
世界でいちばん最初に、核分裂に成功したのはドイツである。いよいよ、きな臭くなっていく世界情勢において、この事実は重かった。 厳密にはドイツ国内だけで完結する話ではなくて、化学的裏付けでその可能性を見たベルリンのハーンらが、ユダヤ人排斥法を逃…
都築響一の写真集「Tokyo Style」を、これまで見たことがなかった。先日洋書屋で、外国の出版社から新版として並んでいるのを見かけて、それではじめて内容をみた。 元々は十年か二十年前の本かな?くらいに思っていたが、それどころではなくて、これはおそ…
テレビでたまたまトッド・フィールド「TAR/ター」(2022年)が放送されていて、あらたな若いチェリストがあらわれて主人公を魅了するあたりから、最後までの一時間くらいを観る。 映画館で観たときと違って、主人公のセリフ字幕が男性の言葉遣いであるため、主…
上の子は小学生、下の子はまだ四歳で保育園にあずけてる。子育てママさんの仕事復帰を応援だなんて、ワークライフバランスを大切にしたいだなんて、そうは言っても、現実はなかなか厳しいもの。 お昼のあと吐いちゃいました、急に発熱しました、電話がかかっ…
出口に人が何人も立っていて、ドアの向こうから雨の轟音が聴こえてくる。うわ、やられたと思う。小さな折りたたみ傘を頼りに駅まで向かうが、上から叩きつける雨と下から跳ね返る雨の両攻撃で、たちまちのうちに衣服がずぶぬれになる。 鉄道の運行状況はボロ…
鮨屋とか蕎麦屋では、長居しないのが粋だとかマナーだとかそんな話があって、風情とか粋とか、排他的でイヤな感じなのでその手の話からは遠ざかりたいのだが、ただ長居無用に意義があるとすれば、それは鮨や蕎麦がもともとそれに見合う特質をもつ食べ物だか…
物理学だと、まずアインシュタインによる計算式の確立あるいは仮説の組立てがあって、のちの物理学者らは、実証結果をアインシュタインの計算式や仮説と照らし合わせ、それは相互の正しさを示す実績として積み重なっていく。 物理学と違って芸術は感覚的なも…
昭和通りから、浅草橋の方角へ向かって路地を入ったあたりにひしめき合っている店のなかで、かつて十年前、とあるお店を何度か訪れた記憶がよみがえる。 でもあのときの従業員は、おそらく今とはすっかり変わっているはずで、あの人たち、あれから十歳も年齢…
シネスイッチ銀座で、横浜聡子「海辺へ行く道」(2025年)を観る。たぶん才能に輝くものをもつ(のだろう)、主人公の中学生がいる、彼はひとまず本作品の中心であり、アートを巡って動いているこの世界の中心にいる。 その後輩の子は、海辺で遊ぶ唐田えりかに魅…
銀座の観世能楽堂で第三十ニ回能尚会。番組は能「安宅」、狂言「呼声」、仕舞に続いて能「道成寺」。 「安宅」は、幽霊とか異形の者とかの出てこない、いわゆる「現在能」と呼ばれるもので、登場人物らが全員、実在する人間で、誰も面を付けてない。それだけ…
U-NEXTで、クリント・イーストウッド「センチメンタル・アドベンチャー」(1982年)を観る。彼は、甥っ子の目の前に不良兄貴みたいな存在としてあらわれ、甥っ子を魅了し、共にナッシュビルへと旅立たせるきっかけとなる。彼は甥っ子に、酒を教え、車の運転を…
ここ数日マイルス・デイビス・クインテットの、1965年プラグド・ニッケルでのライブ盤を繰り返し聴いていた。さすがに膨大な曲目のすべてではなく、自分の選んだ何曲かに限ってだけど、それらをあらためて聴きながら、良いと思える個所と、それにしてもこれ…
川崎駅の東口がかなりの繁華街であるのを、いまさら知った。駅前の地下街は広大で、さまざまな店舗が軒を連ねていて、地上も幾筋かの通りに沿って、無数の飲食店舗が積み重なるようにして並んでいる。東京駅の八重洲口を思わせるところもあるけど、ビジネス…
自然は、「エネルギーの高い状態」を嫌う。なぜなら、エネルギーの高い状態は不安定だからである。そのため、自然はつねにエネルギーを低い状態に持っていこうとする。最も低いエネルギー状態が最も安定である。自然はつねに、不安定状態から安定状態になろ…
己が世間知らずを晒すようで恥ずかしいが、ぼくはもやしという野菜の値段が安いということを、わかってはいたが、今日、そこまで安いとは知らなくて驚いた。現金支払のレジに並んで、千円札を一枚用意していたのだが、21円ですと言われて、思わず、は?とな…