2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

法要

名古屋へ向かう新幹線の窓から見える富士山。真っ青な空、午前中の光を受けて浮かび上がる白いあのかたち、小田原あたりからの存在感だけでも相当すごいけれども、富士見市くらいまで来ると、やはりこれは、なかなかすげえという思いを否定できない。天気が…

あわただしい

仕事があわただしい。その勢いのままばたばたと会社を出て、夜の帰宅途中、東京駅で降りて人と電話で長々と通話して、最寄り駅に着いたら少し肌寒い。この寒さは貴重というか、ああこの季節だなと思われる冷ややかさ、暗闇を、桜の花弁がななめにさらさらと…

親知らず

最近父親が亡くなりまして色々バタバタで…と言うと、相手により反応はさまざまだがやはり年配の人ほどふつうに、ああそうでしたかそれは大変でしたねえ、ご苦労でしたねえ、みたいな、まるで、そうですか親知らずですか抜きましたかそれは大変でしたねえ、み…

樹木

私が樹木を見ている、樹木も私を見ている、それどころか樹木は、私のことを、深く激しく愛している、身を焦がすほどはげしい感情で、私を見ている、しかし私は、目の前の樹木が、それほど激しい思いを内に秘めていることに気付かない。私と、只の樹木。だか…

文章作成術

読み手に伝わる文章を書くにはどうすれば良いか?をテーマにした勉強会みたいなのをやって、僕がテキストを元にメンバーの皆さん色々と例文と改善例を説明しなければいけなかったのだが、元になってるテキストの、改善前の例文の方がことごとく自分の書く文…

揺れ

人が死ぬというのは、その動きが止まったということだが、それは必然的に、周囲の生きている人や事象に影響をあたえ、それによって、それまで動かなかったものや、沈黙していたものや、誰にも気付かれず捨て置かれていたはずのものや何かが、はじめて動き始…

明るい

快晴の空に、白っぽい桜の花。春らしい気持ちの良い天気だけれども、ぬるま湯のような空気の明るさの中に花粉だの埃だのが混ざって細かく反射して光ごと薄っすらと濁って沈滞していくような感じ、時折、枝を揺すって桜の花弁を落としているのは、カン高くて…

父の位牌と遺骨を携えて埼玉の実家へ行く。父親がこの家に来るのはじつに三十余年ぶりである(…まあ、死んで遺骨の状態なわけですけれども)。両親と古い知り合いのSさんご夫婦と、久しぶりにお会いする。たぶん最後にお会いしてから二十年近く経つはず。あま…

hamburg '72

キース・ジャレットの「hamburg '72」を聴く。こんなアルバムがリリースされていたことを最近始めて知った。昨晩もそうだけれども、キース・ジャレットを聴く経験自体が、我ながらおどろくほど久しぶり過ぎるのだ。メンバーはベースがチャーリー・ヘイデン、ド…

All the Things You Are

キース・ジャレットの「Standards, Vol.1」から「All the Things You Are」を聴く。二枚組ライブ盤「Tribute」に収録されている同曲も聴く。この人のアップテンポでぐいぐいとグルーブさせてノリノリで弾きまくる系の曲の、このあたりは代表だと思うが、僕は…

なつかしい音楽

祭日だが、寒いので家に引きこもる。朝からなぜかずーっとテレビばかり見ていた。窓の外は曇り空で、テレビ画面の向こうも似たような色合いの空が映っているが、そことここは時も場所も別。午後は音楽を聴く。最近音楽を聴くのが、なぜか休日に家にいるとき…

北千住で

呑みの約束をした人が来るまで、僕は一足先に上野でゼロ次会しているつもりだったのだが、相手の到着時間がいまいちはっきりしないことが気になって、何となくうろうろ徘徊しつつ、やがて湯島駅の出口のあたりにぼんやりと立ち尽くしていた。寒さはかなり厳…

Ventriloquism

ミシェル・ンデゲオチェロの新作はカバー集でほとんどの楽曲が八十年代R&Bで、これらの楽曲たちの醸し出している雰囲気が、自分が中学くらいの頃の、ラジオのFENやテレビのベストヒットUSAなどから流れていたそれらそのモノという感じで、ちょっと気が遠くな…

彼岸

CDを久々に買った。たまたまyoutubeで少し聴いただけで、ほとんど直感的な、かなり思い切った衝動買い。ENSEMBLE SHIPPOLLYの「VERY SHIPPOLLY」と、西島芳「White in Dark」。まだ一度ずつしか聴いてないので感想らしい言葉もないのだが、またこの後、何度…

幽体離脱

古谷利裕【「幽体離脱の芸術論」への助走】(http://ekrits.jp/2018/03/2515/)を読む。ものすごく分かりやすくて、かつ面白い。グレアム・ハーマン「四方対象」の話は、一度齧っただけでは到底理解できないし分かった気になれないような複雑さ、奥深さを秘め…

鰹の刺身、解凍モノだし、まだ高いし、まったくお買い得ではないし買い時でもない。むしろ、なぜ買うのか、まだ時期尚早、少なくとも今は手を出すべきじゃないのだけれども、つい買う。新玉ねぎ一個分を薄く切ったやつと、ネギとか茗荷とかおろした生姜と共…

計測と信仰

水泳するのが、いよいよ面倒くさくなってきたと感じるのだが、30分のとくに後半、ほとんど不条理な労働を強制させられているかのような感覚に陥るほどなのだが、そもそも水泳をやるモチベーションが、どこにあったのかを思い返したくなる。健康診断で色々言…

再会

朝、また白サギがいた。久しぶり、二ヶ月ぶりくらいか。相変わらず、小柄だが、とぶように白い。おまえ、まだここに居るのか、もうこのまま、この地へ住み着くつもりなのか。楽しくやっていけそうなのか。おまえの身体は、この後、もう少し大きくなるのだろ…

位牌

しかし、まさかこの僕が、ネットで位牌の写真をひたすら見較べながら、どれにしようかしらと悩む日が来るなんて、まったく想像もしていなかった。そして、なんとなくやはり、割り切れぬというか煮えきらぬ思いになるのは、この手の仏具というものたち、結局…

一人で

一昨日のことだが、あなたは位牌にちっとも祈らないと妻に言われて、まあ、たしかにと思ったのだが、手を合わせて祈るという行為を、僕はどうもぎこちなくしか出来ないようなところがあり、そのときふと、小津の「小早川家の秋」に出てくる団令子が、中村鴈…

今後

母の住む埼玉の実家へ向かう。昼過ぎに到着。母が車で迎えに来てくれている。車で家に向かう途中の景色が、これはここにも過去何度も書いたことだが、まったく見覚えのない、過去の記憶の景色とはまったく重なり合うことのない、完全にはじめて見る土地の景…

遺失

目が覚めた。飲み過ぎていた。ああ、まただ、と思って、少し自己嫌悪をおぼえる。上体を起こしたとき、なぜかふと、また昨夜の気がかりらしきものが、よみがえってきた。ふわっとした、不安とも何とも言えないような、心の揺らぎである。 起き上がり、自室に…

前夜までのあらすじ

横浜で一軒目のあと、悪い癖で一人で湯島方面に漂流して二軒目へ。魚介系前菜二皿と蝦夷鹿ロースト。なんの問題もない、一人でこうしてのんびり食事してるのが一番幸せだ、そのはずだった。会計して、店を出たとき、なぜか、ふと妙な気分になった。何かが気…

若い

今週は仕事が、まあまあ忙しいな、帰りが中途半端に遅いし、水泳する気にもあまりなれない。 個人差はあるが、若い人は総じて気合入ってるし、一生懸命その場の役に立とうとするし、すごく緊張していて、早くその場所に溶け込んで、周囲と馴染んで、自分がそ…

残処理

今週は仕事が、まあまあ忙しいので、帰りが中途半端に遅くなる。亡き父親宅の家電製品などそのままにしても仕方ないので、Sに譲るよう連絡したり、残っている諸手続きも進める。進めると色々と発掘される問題も出てくる。ああ厄介だ面倒くさいの気分をかかえ…

33 minutes

泳ぐ、相当久しぶり。思ったよりも身体パワーある。前半は好調。後半はペース下落幅やや大きい。体験というよりも単なる生理、神経作用、条件反射、フィードバック、検証と動作確認の時間。

沈丁花

一週間ぶりの出社。上司と色々話す。以前も、ある程度はうちの家族構成を話していたつもりだったのだが、やはりわかりにくいというか、親が離婚、父一人暮らしで死去、親戚もいるけど喪主は自分、妹もいるけど住まいはまた別、みたいな。それらの要素が組み…

境界

ブログに書く内容を書き始める、通夜、葬式、その後…と書いていくつもりだけれども、なかなか面白くないというか、上手く書けないというか、少しだけ書いて、それを読み返すと、つまらなくてその先を書く意欲が沸かない。 なので散歩に出掛ける。駅前を越え…

手紙

今日、土曜日か。まだ休むのか。さすがに休みが長いな、と感じる。 Iさんから、香典とお手紙を郵送で受取る。もうずいぶんお会いしてないけど元気だろうか。 もし容態を知っていたら、本人から悪態を受けること覚悟で、お見舞いに行けたのに、又、お別れ出来…

手続き

父自宅から持ってきた荷物の中から各種領収書、請求書などを確認する。水道は昨日市役所で止めることが出来たのだが、電気とガス、ケーブルテレビの契約、携帯電話の解約を今日やる。あと葬儀所に支払い金を振り込む。今日はじつをいうと僕はあまりバタバタ…