Culture Club


数年に一度、カルチャー・クラブ (Culture Club) を聴きたくなる病を発症する。しかし古い。流行ってたのは今から三十五年ほど前。中学一年生だった自分の、洋楽初体験である。友人のYとMはデュラン・デュランに夢中で、僕もたしかに「ザ・リフレックス」という曲の異様なカッコよさ(イエスロンリーハートもそうだが初期のサンプラーを聴くことができる)には驚いたが、YとMへの対抗意識も少しははたらいたのか、自分は別の「ニューロマ」グループへ傾倒し…まあ、当時YとMとはそれなりに仲良くしていて中学生あたりから背伸びしたくなる子とそういうのに無頓着な子が分かれはじめるが、彼らはもろに前者で、自分もできればそちらへ付きたいと思うような自意識をもっていた。いや、そんなことよりも当時の自分は本気でボーイ・ジョージがカッコいいと思っていた。今で言うところのLGBT的なことも全く知らず、それどころか思春期前後の基本的性知識もまだあやふやだった時期に、ああいうキャラクターに心を奪われていた訳だが、まあ子供の思い込みなんて今も昔もそんなもの、というかこれこそが70年代以降の洋楽ロックを支えた日本女子達のマインドで、僕もそれを引き継いだのだ、とか何とか。


カルチャー・クラブの楽曲が今でも聴くに耐えるものかどうかは人にもよるだろうが、僕はなぜかいつまでも好きで、それはやはりサウンドの根底にソウルとレゲエっぽさが濃厚に含まれているからだろう。レゲエに特有の、一拍目に鋭いハットの刻みが入って後明るさを保ちながらユラユラ下降していく感じ。レゲエの良さはアルコールが身体に沁みていく良さに似ている。曲も歌もファミレスのように安っぽいけどむしろそのくらいの方が良いと思うときもある。とくに夏だと効く。ボーイ・ジョージのボーカルはこれも嫌な人は嫌だろうが僕は嫌いではない。けして上手くはなくて高音は鼻で歌ってごまかしてるみたいな頼りない感じだけどむしろそこがいい。アルバム単位で聴いていた記憶はあまりない。カラー・バイ・ナンバーズのA面の最後がChanging Every Dayのフェイドアウトで終わっていく感じだけは今もおぼえているけど、カルチャー・クラブならやはりベスト盤とかのヒット曲単位での記憶になる。


Do You Really Want To Hurt Me
まさに真の名曲だと思う。この曲って本当にこのバンドの曲なんだろうか?もっと古くて有名なレゲエのスタンダード曲のカバーなんじゃないのか?と本気で疑ったことがある。

https://www.youtube.com/watch?v=2nXGPZaTKik


Time (Clock Of The Heart)
まあ曲としては何の変哲もないとも言えるが、自分の中では外せないスロー名曲

https://www.youtube.com/watch?v=8tI1_KlO6xI


Black Money
カルチャー・クラブにはサポートメンバーでバックコーラスの黒人女性がいて、ボーイ・ジョージとコーラスの掛け合いはこのバンドの大きな魅力だと思う。ソウル感がいい。

https://www.youtube.com/watch?v=cCYqevUUE8w


The War Song
このイントロだけで、中学一年生の時空にずるずると引き戻されそうになる。

https://www.youtube.com/watch?v=GBd5W9IA7n0