売れない

会社で人が辞めるのよりも、バンドで人が辞めることのほうがキツイことなのだろうな。会社を辞めるのもたしかに人間関係の分裂なのだけど、会社の人間はそのへんあまり過剰な意味を読まない。あーそうなんだ今月までなのね、、という感じで別れる。しかしなぜかバンドの場合は違う。目的が違ってしまったからとか、方向性が変わったからとか、その理由の裏側には、人間はそもそも同じことを考えてない、だから袂を分かつのは当然みたいな、それをことさら示すようなところがあって、ふだんは見て見ぬふりをしてる冷たい何かが、ここぞとばかりにおもてに出てくる感じがするのかもしれない。バンドのメンバーが友達同士だなんてことはたぶんなくて、バンドだろうが会社だろうが、すぐれた組織体はだいたい同質のすぐれた関係性を築いているものだろうし、それがなければ続かない。あとバンドの場合は結果を出せなかったとしても、過程に価値を見出すことはできるというのはあるかもしれない。売れなかったけど素晴らしいバンドだったとか、無視できない魅力があったとか、そういうのはある。しかしそれだったら会社もそうで、会社とはいえ必ずしも結果だけがすべてではないのもまた事実だ。ただし会社の場合、結果出なければあっという間に終ってしまうのだけど、バンドもそうなのだろうし、売れないバンドって、ほんとうに辛いんだろうな。きっと、何しろ売れてないというのは辛い。