2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フジロック配信day3

家でフジロックの配信を、見たり見なかったり、本を開いたり伏せたり、ビールを飲んだり、ビールや食べるものを買いに行ったり、ぐーたらした夏の休日。 中村佳穂が今夜だけの大胆な特別仕様バンド構成であらわれた。本人(Vo.Key)に、越智俊介(B)、伊吹 文裕…

フジロック配信day2

家でフジロックの配信を、見たり見なかったり、本を開いたり伏せたり、ビールを飲んだり、ぐーたらした夏の休日。 それにしても、フジロックに森山威男(KYOTO JAZZ SEXTET feat. 森山威男)が出て、配信越しにそのプレイを見ることができるなんて、とんでもな…

友達

チャンドラー「長いお別れ」は「パパイヤ・ママイヤ」のような青春小説ではないけど、あれも「ベストフレンド」との出逢い系ジャンルであると、言えなくはないだろう。だからというわけではないけど、数年前に途中まで読んだのちほっぽらかしていた「長いお…

名前

三宅さんの日記に載っていた、渡辺さんちのかわいいやつの写真を妻に見せる。なんて名前かと聞くので、どうもおそらく、三宅さんがこの日付で記している文章のぜんたいが、この猫の名前ということらしい。きっとこいつは、岡﨑乾二郎の作品タイトルよりもは…

書き手

日記やブログとして書かれた文章を、毎日か数日に一度くらいのペースで読んでいて、ごくたまに、Aさんの文章だと思い込んでBさんの文章を読みはじめてしまうことがある。 もちろん数行も読めば、すぐ間違いに気づくのだが、その前のほんの短い時間、まずAさ…

前段階

誰かによる描きかけの絵を偶然見かけたとき、それがまだ下地の地塗り段階だったときなど、画面のあまりのキレイさに息をのむことがある。四角い画面に、いくつかの色面が、速度感をともなった大雑把さで、ひしめき合うように配置されているだけで、すでにそ…

必需

サッカーの選手が、遠くから飛んできたボールを、まるで磁石の力で引き寄せたみたいに、すとんと足元に静止させた。次の瞬間、身体の方向と足の動きとボールの動きがほどけたようになったと思ったら、すぐに一つの方向へ走り出す。そんな超絶的なフェイント…

石油臭

国力、その潤沢な経済の後ろ盾があったからこそ、アメリカ軍における俘虜の扱いは「人道的」な水準を維持することが出来た。食事は日本人俘虜ひとり当たり自軍兵と同等の2700カロリー分の食糧が供給され、これは米軍の自慢だったらしい。但し体躯の小さな日…

凱里ブルース

Amazon Primeで、ビー・ガン「凱里ブルース」(2015年)を観た。ゆっくりとカメラがパンしていき、捉えられる対象がゆるやかに移り変わっていくとき、そこに見切れて行くものへの驚きと新たに現われるものへの驚きをくりかえしているうちに、その村の人々が目…

カフェにて

JAIHOでホン・サンス「草の葉」(二度目)。配信終了する前に再見した。 弟と弟の彼女とキム・ミニとで会食。彼女はお姉さんに挨拶する。キム・ミニは彼女との結婚を考えてるのかを弟に問う。肯定の意で頷く弟と彼女。キム・ミニは憮然とした表情で彼らに言う…

コーヒー&シガレッツ

Amazon Primeでジム・ジャームッシュ「コーヒー&シガレッツ」(2003年)を観る。面白かったけど、とくに感想はない。十何篇かの短編にわかれたオムニバス作品で、どれも取り立てて印象に残るような箇所があるわけでもなく、緩く適当に、些末などうでもいいこ…

ディナーラッシュ

Amazon Primeでボブ・ジラルディ「ディナーラッシュ」(2000年)を観た。映画としてすごく面白いとか、そういうわけでもないのだけど、レストランという場の特長を生かしたそれぞれのエピソードの重なりが、その店という世界全体を喧噪とともに浮き上がらせて…

体調不良でずっと寝ているというのは、やはり心にも影響をあたえるもののようだ。心が凪になるというか、感情に起伏がなくなるというか、些末なことがことごとくどうでもいいことに思えてくる。だからそれはそれで、ある意味良いことなのかもしれないけど、…

マラリア

昨夜未明から発熱、わりとショック受ける。一日中床に伏せたまま過ごす。「俘虜記」を読み進める。もしかして、自分もマラリアに罹ったかもしれないと思う。横になって軽く朦朧としていると、野戦病院をうろつく俘虜たちに自分も加わったような気になってく…

俘虜

上野の西洋美術館にでも行くかと言って家を出たけど、門前まで来たら予想以上に人が多くて入館をあきらめる。なんか前にも同じことがあった気がする。リニューアル後の西洋美術館はなぜあれほど人気があるのか。仕方がないので居酒屋へ行く。最初から、その…

パパイヤ・ママイヤ

乗代雄介「パパイヤ・ママイヤ」を読んだ。いろいろ悩みや問題をかかえた十代の女子二人が知り合うところからはじまって、木更津の浜辺近辺を舞台に、かなり風変わりで忘れがたい経験をするという、直球の青春小説という感じだった。スマホいる/いらない、運…

坂本・忌野

誰かのツイッターで、坂本慎太郎の曲に「なぜか忌野清志郎を思い出す」という言葉を見かけた気がする。 これは僕も同感なのだ。音楽性も詩の世界もまったく無関係なようでありながら、坂本慎太郎と忌野清志郎は、その描きだす世界において、深いところで響き…

坂本・宇多田

坂本慎太郎の、曲と歌詞を関係づける凄さに惹きつけられっぱなしで、それはいつまでも頭の中に鳴り響き、機会のたびにくりかえし聴くのを止められなくなるのだが、曲と歌詞と云えば、それこそきわめて入念かつ繊細に考え抜いた楽曲ばかりを並べたのが、宇多…

A GHOST STORY

JAIHOでデヴィッド・ロウリー「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」(2017年)を観る。主演の男女は、同監督「セインツ -約束の果て-」(2013年)と同じケイシー・アフレックとルーニー・マーラなのか。アメリカの片田舎を背景にしてるところ、二人のカッ…

川沿いのホテル

ホン・サンス「川沿いのホテル」(2018年)。つまり、老人が亡くなる話ではある。ホテル滞在中の老人が、息子二人を呼びつける。ホテル近くまで来た二人は、部屋まで行くので部屋番号を教えてくれと言うが、父親は、いや、一階のロビーで会おうと、かたくなに…

草の葉

ホン・サンス「草の葉」(2018年)。荘厳な交響楽が音楽としてたくさん使用されている。いつものホン・サンス的な二人の人物が向かい合っているショットなのに、ワーグナーとかが流れてるだけで、ヴィスコンティの映画みたいな感じになるのが面白い。 キム・ミ…

あなた自身とあなたのこと

ホン・サンス「あなた自身とあなたのこと」(2016年)。主人公の女がカフェでお茶を飲んでいると、男(A)が話しかける。あなたはミンジョンでしょう?前にお会いしませんでしたか?女は違う、あなたのことを知らないと答える。男(A)は、おかしい、そんなはずな…

三本立て

JAIHOの会員登録をして、ホン・サンス「あなた自身とあなたのこと」(2016年)、「草の葉」(2018年)、「川沿いのホテル」(2018年)の三本を今日、立て続けに観た。 しかし見る前に懸念したとおり、よくばって三本つづけて観てしまうなんて、やはりもったいない…

物語のように (Like A Fable)

坂本慎太郎のニューアルバム「物語のように (Like A Fable)」がとても良くて、くりかえし聴いている。最近の新しい音楽で、くりかえし聴きたくなるものに出会う機会がかなり少なくなってしまったのだが、「物語のように」には一曲目"違法です"から惹かれた。…

定点

すくなくとも九年ほど前から、毎朝決まった時間に家を出て駅まで歩く。道中、同じ方向へ向かう人々の前や後になりゆるい列をなして歩いていく。 毎日見かける人はもちろんいる、というか毎朝同時刻を目指して歩いているのだから、ほとんど同じメンバーで不思…

初見者

道路を挟んだ向かいの、去年まで業務系倉庫兼駐車場みたいなスペースが更地になり、囲いに覆われて、やがてマンション建設の工事がはじまった。春先あたりからはじまって、完成するのは年末か来春あたりだろうか。たぶんまだ地面の下の基礎工事みたいなこと…

直帰

土曜も日曜も同じ映画館に行って、しかし終わったらどこにも寄り道しないですぐ帰宅してしまうのは暑さのせいだけではなくて、外出したとしても用事が済んだらとっとと帰りたい気持ちが最近とくに強くなったからだ。まっすぐに帰宅して夕方には平常通りに食…

次の朝は他人

「あなたの顔の前に」を観た一昨日のことだが、帰宅後にDVDでホン・サンス「次の朝は他人」を観返した。「あなたの顔の前に」に居酒屋"小説"が出てきたのと、「あなたの顔の前に」のイ・ヘヨンのトレンチコートが「次の朝は他人」の女店主のリプライズなのだ…

イントロダクション

ヒューマントラストシネマ有楽町でホン・サンス「イントロダクション」を観る。「あなたの顔の前に」とは直接、話のつながりはないものの、まったく別の話というわけでもない。その絶妙な距離感。 短い三つのエピソードによって構成されている。一つ目のエピ…

あなたの顔の前に

ヒューマントラストシネマ有楽町でホン・サンス「あなたの顔の前に」を観る。作家としてのホン・サンスも、少しずつ変わっていくのだなと思った。とても味わい深いというか、こういう面白い映画を観ることができたときに、大げさなようだけど、生きているこ…