ヤセイコレクティブ


青山bluenote東京でヤセイコレクティブ with special guest マーク・ジュリアナ 1st set。昨日ネットで見て、こんなのやってるよ、じゃあ行くか、となって予約してから、アルバム(Lights)をAppleMusicで初めて聴いたりなど、まさに、昨日までぜんぜん知りませんでした今日が初対面です、という感じで。マーク・ジュリアナが出るから、というのはもちろんだが、なんとなく、面白いかも、と思ったので。直感で。


じつに素晴らしい、たのしい、血湧き肉踊るというか、身体を動かさずにはいられないというか、とにかく楽しすぎるライブであった。演奏が始まった直後からめちゃめちゃいい感じ。何か得体の知れない、何か音がしてるだけで、ただワクワクする。こんな風に楽しいのは、ほんとうに久しぶりだ。これはもう、バンドという組織体の素朴な良さ。それだけでしかないがゆえの、計り知れない力だ。何人かが、集まって、なんだかよくわからない大掛かりな、紐のいっぱいぶら下がった機材をその場に持ち寄って、電気を入れて、みんなでいっせいに音を出すという、ほとんど幼児的と言ってもいいくらい単純な、しかしこれ以上ないくらい強力なやり方。まあ、すごく単純に、これってジャズじゃん、これって最良の意味でのジャズだよね、と言ってしまっても良いのかもしれない。まあでも、なんと呼んでもいいのだ。演奏しながら、すごい高揚で、客がじょじょに浮ついてきて、演奏者の顔が恍惚で歪んできて、口元がだらしなく笑いのかたちに崩れてきてしまって、両足がばたばたと落ち着かなくて、前のめりに、ぐいぐいと、すぐ先のその時間一瞬一瞬を食って食って先へ進もうとする、みんながそれを無言で、ものすごいテンションで一緒になって進む、そのマジックである。そうそう、そうなのよ。結局こういうことでいいのよ、と、ひたすら肯定感しか無いようなひとときだった。


生ドラムに、ギター、ベース、キーボード。しかしギターとベースは手元にも足元にも各種エフェクターが並んでいて、生音の割合は全体の半分以下という印象、ではあるが、プログラミングな印象はまったくない。むしろ、愚直なまでに生演奏。電子音による生音というか、物の質感をもった電子音というか、言葉だけだと意味がわからないというか伝える気の欠けた言い方になってしまうが、つまりは音のあの感じ、というのはライブでしか味わえないものだと、今更ながら思った。


後半マーク・ジュリアナが登場してからは、一見かなり慎ましいというか、バンドを尊重した感じであまり目立つことはしないけれども、ほんのちょっとの事がもの凄くて、プレイし始めると、まさにその時間すべてが、それ一色に染まるというか、それにしてもこのドラマーはなんという、この独特の、この人でしかない、異常なタイム感。キック一発だけでも、空間に物理的な刻みを入れてくるかのような、ほとんど物自体みたいな、あの音の粒はいったい何なのかという感じだった。それこそ、もしかしたらそのへんに捨ててある空き缶叩いただけでも、あの空間と質感を作ってしまうのではないだろうかと思わせるくらいの。。