2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

きょうのできごと

柴崎友香「きょうのできごと」を読む。「ジャームッシュ以降の作家」で保坂和志は「彼は現在を生きる私たちが、未来に希望を持っていないことを『ストレンジャー〜』によって、はっきりと見せてしまった。未来に希望がないとしたら、「あるのは絶望だけだ」…

ジャームッシュ以降

柴崎友香「公園へ行かないか? 火曜日に」を一昨日読み終わって、いろいろと自分なりに感想をまとめていて、それが予想以上に難しくて、いや、今にはじまったことではないのだが自分は常に柴崎友香について何か言う自信がないというか、どうも思ったことを表…

真夜中、痒みで目が覚めた。蚊にやられたのだ。両足に何箇所も…久々に冷房切って窓を開けていたのが災いした。網戸は閉まっていた筈だが何らかの方法で侵入に成功したのか蚊にやられるとは、今シーズン初。いや数年ぶりじゃないかそんなことないか。しかしこ…

靴を脱ぐ

美術作品で、靴を脱いで作品内に入って体験するとか、ああいった鑑賞形式が若干苦手である。なぜなら靴を脱ぐのが面倒くさいからだ。僕は靴は、紐靴しか所有してないのだ。ただし鑑賞方法がその作品の質に関わるのだから、その作品を体験するために必要な鑑…

休み明け

四連休した週明け。出勤して「まだ心が、ぜんぜん仕事にひらこうとしません」と周囲に伝える。何をするにも、周囲を戸惑わせて不可解な思いにさせるのもかまわず、ため息まじりで俯いてしょんぼりした態度を崩さない。まだ半分家にいるような感覚が新鮮で面…

在宅

いくらなんでも暑過ぎるだろうという事で終日在宅、というかもはや屋内避難。前日に続けて昼から飲酒しつつ窓の外の狂ったような光の降り注ぐ様子を見ていた。CSで放送した濱口竜介「永遠に君を愛す」を観る。濱口竜介らしいきわめて強烈な事前配置の雰囲気…

ナムル

いくらなんでも暑過ぎるだろうという事で終日在宅。妻が借りてきたツイン・ピークスのファーストシーズンを延々と観続けている。僕は画面を見るともなくソファーに一日中ぐったりしていた。昼間からモヤシのナムルを肴にしてビールを飲んでいた。こうしてモ…

箱根day2

起床して、みたび温泉へ。雨は止んでいる。しかし風が台風の雰囲気をたっぷりと含んでいる。昨日から度々iPhoneで気圧をチェックしているのだが、箱根湯元から仙石原方面に行くにしたがって気圧が急激に下がっていき、今まで見た事もない930hphを下回る世界…

箱根day1

DVD返却のためツタヤまで歩いてまた駅に戻る。箱根湯本行きロマンスカーの発車時刻まで、あと一時間ほどある。朝の九時を過ぎたばかりの駅構内は通勤客同士の殺気だった雰囲気がようやく薄れ始めてはいるが、人の行き交いは相変わらず激しく混雑しており、そ…

クリスタ・ベル

夜の会議はほぼ予想通り長引き、場所もお店に変わる。注文された料理の皿が思いのほか大きかったので、妻に連絡して夕食は取らなくて済みそうと伝える。これで今晩は帰りも遅くなりツイン・ピークスの8枚目を観ないまま就寝になるだろうから、明日返して再度…

わかれ道

三宅さんが自分の文章に触れてくれているのを読むと、おお…!と嬉しく思う。自分の書いたものは、大抵の場合、これで良いのか悪いのか、自分では判断がつかない。これは書く人なら、おそらく誰でも多かれ少なかれそうだろうと思われる。実現させたいイメージ…

舞姫

森鴎外「舞姫」を読む。まさにロマン小説、悲劇ここにあり…といった感じ。日本の明治時代の小説であるから、日本人とドイツ人がドイツ語でやり取りしていたであろう対話も、当然のことながら日本の書き言葉の当時における優雅な文体に変換されているわけだが…

ツイン・ピークス

午前中ツタヤに行って、ストッパー外して、スーパーでちょっと買い物してすぐ帰ってくる。「ツイン・ピークス リミテッド・イベント・シリーズ」DVDを観始めたのは正午過ぎからで、とりあえず今日はここまでと鑑賞を終えたときは23時というとんでもないロン…

晩夏?

幸水という梨は美味しい。果実の美味しさの不思議を感じさせる。幸水以外の梨にはあまり興味ない。あまり安くないけど、店頭にあるうちに食べたい。 秋刀魚もそろそろ季節到来だが、一尾四百円とかまだ異常に高い。でも高いうちに無理して一度くらいは食べて…

川崎

川崎駅周辺に良い店があるのかぜんぜん知らないのだが、待ち合わせがそこになったので仕方がない。しかも金曜の夜なのに集まってから店を探すなんて、その時点で少し投げやりな感じになる。Eさんが入るといっつもそうなる。自分が誘うくせに自分が来れない事…

くされたまご

朝の電車はまだ空いている。いつもこうだといいのにね。日本近代短篇小説選 明治篇1の嵯峨の屋おむろ「くされたまご」、明治二十二年。なぜこういうのが、現代の街の景色や行きかう女性を見る視点とあまり変わらないものに感じられるのか、とても不思議だ。…

施餓鬼

十時になったので寺へ向かう。施餓鬼供養はじまる。前日とはすこし趣の違った、しかしやはり和太鼓のトライバルなオープニングテーマが奏でられる。別にマイクも何もない生音だが、しかし意外とけっこう音がいいのだ。空間全体に食い込むような乾いた感じの…

大念仏

正午を過ぎて新横浜駅発の新幹線で名古屋、そういえば途中で富士山を見るのを忘れてた。近鉄特急で鵜方、四時過ぎに到着。波切の大念仏やってるところまでお願いしますとタクシーの運転手に行き先を告げたら、は?と返される。大念仏知らないのか!と驚いた…

過ごす

日中は強く雨が降っていたらしいが、いつものことながら会社を出る頃はすでに夜の手前なので、その日の天気がどのように展開したから今の路面や空の様子がこうなのかがわからない。時計が進むのはわかるというだけだ。日中ずっと室内で仕事をしているのは、…

死ぬ三本

オリヴェイラ「永遠の語らい」をDVDで。船旅の映画。波止場で白いハンカチを振って出航を見送る人々。ポルトガル人で歴史学者の母親と七歳の娘。景色を見ながら遥か昔の歴史や神話のお話をしている。海原に浮かぶ客船。舳先が波を切る。寄航先で港に横付けさ…

北千住駅から図書館まで歩く途中、住宅地を抜けていくとき、たまに路地の奥にネコがいることがあって、そういうときはこちらも立ち止まってネコをじっと見つめて、ネコの方もこちらをじっと見つめて、双方にらみ合いの膠着状態になることも多く、この前もか…

発砲

刑事が部下に指示する。しばらく泳がせろ、部下ははり込む。自分は何もしらず、いつものように横浜駅西口へ。人混みを縫って歩いて、いつものジムへ行く。いつものように汗を流す。というか、泳ぐ。背中に押し付けられる銃口の先。金魚すくいの網がやぶけて…

海戦

蝉は地上に出てきて木に掴まってあらんかぎりのちからで鳴いて、やがて死ぬ。彼らの生涯。木に連なって、掴まって、ひしめきあって、自意識はない。ただ鳴く。たまに飛ぶ。目が見えているのか、飛ぶ理由や目的があるのかもわからず、ただ闇雲に飛ぶ。上も下…

小説形式

目が覚める。薄暗い朝。冷房が効いてると思って顔を上げると、そうではなくて窓が少し空いていた。台風の風音が低く鳴り響いている。夏の鬱陶しさから一時的に開放されて快適だけれども、この薄暗さとかすかな肌寒さは、やがて到来する夏の終わりと秋のはじ…

乱れ雲

一昨日の夜のことだが、DVDで観たのだった。司葉子の義理の姉である森光子は、妻子ある加東大介と不倫の関係で、この二人の間柄は仲良くベタベタしてたり大喧嘩したり、また仲直りして寄り添いあってたり、かなり愚かでいやらしい間柄として描写されている。…

ネコメンタリー

NHKのネコメンタリー 「保坂和志とシロちゃん」を観る。 画面を見ながら、途中、思わず前のめりになった。 部屋の机、書き込みの凄いカレンダー、原稿用紙とペン、ネコのごはんの重さを測る計量器…。 そしてあれが、路上と玄関前の車寄せ、なのか。 こういう…

原美術館

暑い。無言。 「小瀬村真美:幻画 - 像(イメージ)の表皮 」原美術館の建物もずいぶん古びたように見える。蚊取り線香の香りが漂ってる。 時間、つまり落下スピード、重力。 ルネサンス期のフィレンツェにも、スルバランのアトリエにも、重力は働いていたはず…

千年

図書館で借りた竹西寛子『「あはれ」から「もののあはれ」へ』を読む。 掲載されている小倉百人一首とか古今和歌集の幾つかを、きちんと落ち着いた気持ちで、一句一句丁寧に読み取ってみる。風景描写のうつくしさ、というか風景を見る目だけがある。 風景Aの…

金曜日の夜、人形町駅のA5階段を上る。夜の闇を数々の店が灯りで照らしている。繁華街のざわめきや賑やかさはひかえめで、人通りも車の交通量も少な、しかし連なる店は数多くて客を吸い寄せるかのように魅惑的な光をたたえていて、これは楽しそうだ、一軒一…

帰省

今年の帰省ラッシュ、東海道方面の鉄道の混雑具合が如何なものかと思ったら、14日は大したことなくてどの時刻でもかなり余裕がある。翌15日の東京行きはわりと座席が埋まりつつある感じだ。ピークはどのあたりなのかと調べたら11日土曜日はほぼ完売でここが…