2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ザ・ダーティー・マック

ザ・ダーティー・マックhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF The Dirty Mac「Yer Blues」https://www.youtube.com/watch?v=JeFwaWFTGYU 1968年のジョン・…

Catfish Blues

ふだんはジミ・ヘンドリックスのことなど忘れていても、突如として、その音楽が頭の中に降りかかってくるというか、襲いかかってくることがある。歩いていたら、ふいに1967年オリンピア劇場での「Catfish Blues」が頭の中に降りてきた。これまで何度となく聴…

昔は、まだ若い娘のときに、女中とか子守としてある家に雇われて、住み込みで働いて、その後結婚したり子供が生まれたりしても、女はひきつづきその家で女中仕事をしながら、雇い主から母屋の脇に住まいをあてがってもらって、夫や子供も一緒に雇い主の敷地…

やる

山下トリオの「Clay」(1974)が、再生された。この15分間を、何度かわからないが、これまでの何十年かのあいだに、くりかえし再生した。これがはじまると、はじまったと思う。やりはじめたと思う。やりはじめて、やりおわるまでが、びっしりと、みっしりと詰…

空爆

ビルの八階にいた。天気の良い日で気温も高く、いつのまにか誰かが窓際に行って窓を開けたようで、ほどなくして気持ちの良い風がゆっくりとこちらにまで届きはじめた。作業の手を休めて窓際の開いてる窓をのぞいて、ちょっとのけぞった。窓は端の支点から内…

1917

Amazon Primeでサム・メンデス「1917 命をかけた伝令」(2019年)を、冒頭30分くらいまで観た。続きはまた後日。主人公たちに、カメラがひたすら付いていく。ワンカット風の撮影がどうとかよりも、一見してとても「ゲーム」っぽい、という印象を受ける。自分が…

公的

さりげなく巧妙にこちらを支配しようとする、こちらの内面から統治をもくろむような、そういう言葉には注意しろと、保坂和志はことあるごとにそういう話をする。心地よくて納得できる、一見もっともらしい、場合によっては感動させる、しかし内実は脅迫であ…

良い音

4/18に配信された保坂和志「小説的思考塾Vol.3」を聴講(先週急用で観れなかったのでアーカイブで)。 蓄音機の音の良さ、というものがある。SP版に刻まれた音源を蓄音機で再生したときの、まるでそこに演奏者がいるかのような臨場感を一度でも体験すれば、そ…

動向

タールとニコチンが、新型コロナウイルスに効果のある抗体を作りだすことがわかった。喫煙によって体内に取り込まれたタールとニコチンが、細胞内でウィルスを除去する有効な細胞の活性化を促すとの発表を受け、東京都内のたばこ販売店では取り扱う全銘柄が…

Got 'Til It's Gone

Janet Jackson「Velvet Rope」が聴きたくなって、CD棚を探す。AppleMusicにあるのはわかってるけど、あえてCDを探すが、見つからない。面倒になって、YoutubeでGot 'Til It's Goneを聴く。ありふれた、失恋ソング、ジョニ・ミッチェル"Big Yellow Taxi"のサ…

日曜午前

村上"ポンタ"秀一が「笑っていいとも!」に出演したときの映像をみた。1993年、当時自分は大学生で、これは当時も見た記憶がある。おそらく日曜日の「笑っていいとも!増刊号」でみた。 https://www.youtube.com/watch?v=rsbKxq24Qfo 三十年前のトーク番組の…

Restroom

駅や商業施設のトイレで、入口脇などにレイアウト図が設置されていることがある。あれを見ると、男性用なら区画内に小用と個室がそれぞれ配置されていて、女性用なら個室だけが男性用よりも多めに配置されているが、トイレ全体は男女共に同面積であることが…

在宅

朝から妻が外出したので、終日家で一人だった。空は気持ちよく晴れ渡っていたけど、ずっと自室で本を読んでいただけの一日になった。中野重治「五勺の酒・萩のもんかきや」を読み進めた。なんというか、印象や簡単な感想を書こうとしても、なかなか言葉が出…

筍を買ってきて、木の芽もパック詰めをかなり大量に買ってきて、まずは包丁で切ったものをいきなりグリルで焼いてみた。一口食べて、あ、これはなかなか、上手くいったではないか…と思ったのだけど、しばらく食べ続けてると、かすかなえぐ味がじょじょに気に…

書き捨て

道を歩いていて、あるいは電車の中で、あるいは食事中に、ふと思いついたことをがあって、ならば今日のブログはこのことを書こうと思って、だいたいの概要まで想像することがたまにある。しかし、そういうときは大抵しばらくすると、さっきまで考えていたこ…

アクセスポイント

さいきんレコード屋に行くと、昔みたいにどんな棚から見始めても何でも引っ掛かりが見つけられて何時間であろうが延々見ていられたのが、どうもそうではなくなってきた。ほしいものがはっきりしてないのと、たまたま目について手に取って眺めたくなる気持ち…

腐臭

大きな公園の一画に、家族連れがたくさん集ってるような広場があって、遊具があり売店があり炊事場があり手洗い場やトイレなどがあって、その傍らを通り過ぎたとき、唐突に、強い腐臭を嗅いだ。夏場に生ごみが放つ匂いとか、そういうのではなくて、もっと強…

雑談

朝の電車、一番端の座席に座って居眠りしていたら、若い女性ががやがやと三、四人のりこんできて、すぐ近くのドア脇に固まって楽し気にお喋りを始めた。朝の電車というのは混み具合に関係なくふだんは静寂が支配しているのがふつうで、こんなふうに複数人が…

春食材

フキノトウやタラノメは、天ぷらにして食べたいけど、家での揚げ物の準備と片づけがどうにも億劫でなかなか手を出せない。タケノコも今の時期は巨大なのが売ってるけど、あれもとぎ汁がどうとかぬかがどうとかえぐみがどうとか、家で下ごしらえするのが相当…

フランシス・ハ

Amazon Primeでノア・バームバック「フランシス・ハ」(2012年)、面白かった。主人公のフランシスは見習いのダンサーで、ダンスカンパニーからは戦力外通告されてしまい、ニューヨークをいったん離れたり、あてもないのにまた戻ってきたり、見栄をはって意味…

久しぶりに下北沢に行って、駅前から代田の周辺までかけて散歩した。我が住まいのある足立区の景色と、ここ下北沢の景色のもっとも大きな違いは勾配の有無である。ちょっと驚くほどに、この町は坂道ばかりの印象がある。ちょっと日野市や八王子市を思い起こ…

家来

ちょっと昔の小説に「子供の家来として、犬を飼うのも良いだろうと思った…」みたいな言葉が出て来て、なるほど親とは、飼い犬についてそんな風に考えるものかと思った。しかし現代の親も同じように考えるのかどうか。子供の家来としての犬。けっして子供のお…

麻酔

妻曰く、全身麻酔から覚めたときの感覚は、眠りから目を覚ましたときとは全然違うとのこと。 眠りから覚めるとき、それまでの眠りの時間が途切れたと思う。夢を見ていた見ていなかったにかかわらず、それまでこことは別の場所にいたが、元に戻ってきた感じが…

雑誌

たまに行く居酒屋が雑誌に載った、女性タレントが居酒屋を訪ねる体裁の連載記事らしい、妻とコンビニに寄ったときに、その雑誌を見つけてくだんの記事を探した。ちょっとアダルトな雑誌だというので、どんなものかと思ったら、どこをひらいても、出るわ出る…

DIY

オフィスの引っ越しみたいなやつに十年に一度くらいの間隔でなぜか関わることになる。二十年前に入社して、たしか一年後にオフィスを引っ越しして、主にネットワーク回りを手伝わされて、今後のためにちゃんとおぼえておいてねとか言われたけど、当時は何を…

借金

一文の収入もなく、親の遺産もあらかた食いつぶしかけて、下宿を追い出されて、奥さんは妊娠していて、にっちもさっちも行かなくなってる早稲田大生の主人公が、古本屋に借金を請うているところに、恩師の先生の死の報がもたらされた場面。昭和七年のことら…

二本立

CSチャンネルで放映されていたマイケル・チミノ「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(1985年)を観た。チャイニーズ・マフィアの若き親分であるジョン・ローンに、ポーランド系でベトナム帰りのNY市警ミッキー・ロークが挑む。これが日本公開された当時、歌舞伎町…

渡辺省亭

上野の藝大美術館に行って、「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」を観た。渡辺省亭は1852年誕生1918年死没。1878年のパリ万博に日本人画家として出品し、その後パリ留学。帰国後もその作品は主に欧米諸国で高い人気を誇った。ロンドンで死ぬほど悩んだ漱石のよ…

おばあちゃんの家

母からメールが来た。春休み中で、実家の母親に預けられた、十歳になる姪の子がひとり写った写真だった。実家の前にある通りと、向かいのブロック塀とその向こうに広がる灰色の曇り空が、写真に写りこんでいて、おお、実家だと思う。かつて自分が、この家に…

なんでもない日

四月になったから、電車にも駅にも人が増えた。会社の前に待ち合わせの人々がたくさん。緊張している人もいるだろうし、これからの日々を想像して、期待に胸をふくらませている人もいれば、鼓動を高鳴らせている人もいれば、絶望してたり、すでに年貢を納め…