戸塚ふたたび


昨日の夜は二軒目の店を出て、横浜から東京方面の東海道線に乗ったのがたしか22時半頃だったと思うが、空いた車内の座席に座った途端に眠ってしまい、はっと気付いて次の停車駅を見ると戸塚とある。しかも、なんかさっきと逆方向に走ってるし、東京行きじゃないし…。時計を見ると23:50頃で、つまり眠り続ける間に電車は終点東京まで到着して折り返して、横浜を過ぎてさらに静岡方面に向かって走行中なのであった。


不幸中の幸いは気付いたのが横浜の一駅先の位置だったということで、これが熱海だの高崎だのまで行かれたらとんでもないことになっていた。とはいえ、自業自得とはいえ、こういう展開はじつにがっくりくる。でも、まあしょうがないので、戸塚駅で下車。宿泊先を探すことにする。


戸塚に来たのは、生まれてはじめて。…と思ったらそんなことはなくて、四年前にも来ていたことが、自分のブログの記事(戸塚)でわかった。それにしても戸塚。なぜか不思議な縁を感じる。当時の記憶はぼやっとあるけど、そのときの印象と、今ここに降り立って眺めている景色には、まったく共通点が無い。まるで別の駅としか思えない。まあいずれにせよ、適当にふらふら歩いて、カプセルホテルでもサウナでもあればそこへ入ろうと思っていたのだが、ほぼ初めてに等しい場所で右も左もわからない。さらに終電がほぼ終わろうとする時刻で、見渡す限りほぼすべての店舗は営業終了の状態である。けっこう大きな駅で、駅前もペデストリアンデッキが何層も重なっているような複雑な構造で、今どこを歩いているのか、どこが地上今が地下何階にいるのかも判然としないような、左右に加えて上下もわからない困った状態になる。つまり自分が探しているのは、飲食店とかが並んでいる所謂繁華街的な通りで、そういう通りに並びの一角になら簡易宿泊施設くらいあるでしょ、と思っていたのだが、結局駅前の無機質で人がほとんどいないような空間を右往左往してるだけで、普通の地面というか、そういう場所に降りること自体ができない。で、夜だけど蒸し暑いしちょっと歩いてるだけですぐくたびれてきて、なんでもいいからとにかく一番近いホテルでいいと思ってマップで検索して出てきたホテルへ向かう。が、このホテルも入口がきわめてわかりづらく周囲をけっこう無駄にぐるぐるさせられた。


フロントに部屋あります?と聞くと、はい。あるんですけど、その、お部屋がですね。えーと、あ。よろしければ、ちょっと見てみます?と言われて、…はあ、と答える。フロントの人に付いて部屋を見てみる。なんてことない、普通の一室にしか見えない。この部屋なんですけど、ちょっと、あのベッドが、床からあまり離れてない、あまりベッドの足が高くないタイプのヤツなんですけど、これで問題ないですかね?とか聞かれて、いよいよ不審な思いに駆られる。そんなこと、聞いてどうするのか??ベッドが簡易タイプだとか、ちょっと壊れてるとか、そういう話なら事前に説明されるのはわかるが、単なるベッドの形状の話に過ぎないのだ。・・・いやー、問題ないです。っていうか、それって、それだと断るお客さんもいるんですか?と逆に聞いたら、はい、、それは、やはりこだわりのあるお客様はいらっしゃいますので、と、なぜか半笑いで答える。…っていうか、もしかすると、これってもしや、このあと自分が部屋に入ったあとどこかに電話して出張なんとかサービスとかを呼ぶとか、そういうことに関するケアなのだろうか?とも思ったけど、でも仮にそうだとしてもベッドの高さなんて、どうでもいいことのような気がしてならないのだが…。


部屋に入って、シャワー浴びたあと、そのベッドに横たわって、そしたらすぐ眠ってしまった。