NHKの朝の連続ドラマは見てないのだけど、トレインドナースがテーマなのだな。
看護という仕事の有効性を突き詰めていく、その過程はものすごく二十世紀的な営為だと思っていて、そもそもナイチンゲールという人物が、19世紀時点で近代を先取りしていたわけで、看護はとても複雑な、一筋縄ではいかない経緯で今に至ると思う。サポート、ケア、メンテナンスといった問題の根本的なところ、つまりは生命維持における国家管理の端緒を築いた、と言える。
フローレンス・ナイチンゲールは、世間一般でいうところの「天使」でもあるけど、戦場における兵隊の死に場所を、野戦病院ではなく本来の銃弾飛び交う戦地その場所に、あらためて向け定めた人で、あなたは早く傷を治しなさい、あなたはいつまでもここに寝ているべき人ではないとの思いで仕事を貫徹した人で、負傷した兵隊を適切に治療看護できる環境を整備して、その人材を最大限に活用するための仕組みを、見事な手腕で実現した人でもある。
それまで単なる「死を待つ部屋、ゴミ捨て場」だった野戦病院を、彼女は近代的な看護・医療行為の場として機能させた。壊れたら修理すればまた使える、それは機械も人間も同じである。早く治して実務に戻すこと、それを運用稼働させることは、国家にとってどれほど有用なことか。彼女の功績とは、つまりそういうことでもある。
訓練された人とはうつくしいもので、とくに若い人で、訓練への憧れをもつ人は少なくない。いいかげんや適当が嫌いで、それを憎み、確固たる制度や仕組みや訓練システムを求める人は多い。まあ、その気持ちは、とてもよくわかる。
きっちりとした仕組みを打ち立てる人は立派だよね、と思う。きちんとしてなくてすみません…と、僕は日夜、頭を下げてばかりなので、なおさらそう思う。とはいえ互いの案配を見やりつつ、何とか上手いこと凌いでいきましょうよと、そんな目配せと合意の日々でもある。
でもどこかで、異様に過激で面倒くさくて厄介な、手のつけようがないナイチンゲールみたいなヤツが、突然あらわれないものかな?とも思う。
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