2011-01-01から1年間の記事一覧
気が付くと、まだ芝生の上に寝そべったままだったのだ。 あたりはすっかり暗くなっていた。 濃紺の夜空に薄く雲が浮かんでいる。 全身が冷たい。 服全体が夜露を吸ってしっとりと垂れさがっていた。 首を持ち上げると、鬱蒼とした森が空と地面との境目を隠し…
今日はなぜか、上を見るとそのまま息が止まってしまう人の話ばかり思い浮かべていた。 分厚い雲に覆われた空を見上げていると次第に呼吸困難になってしまう。これはまずいと思って、慌てて近くのベンチに腰掛けて、ふーっと一息つく。危なかった、もう少しで…
なぜこれほどコーラスがすごいのか? なぜこれほど素晴らしい曲を書けるのか? なぜこれほど素晴らしいアレンジができるのか? なぜこれほど素晴らしいライブ演奏ができるのか? ビーチボーイズのライブ盤での歌と演奏の上手さにはほんとうに驚く。今まで色…
面白いと思う方向にどんどん進みたいと思っている。面白さがもっとも大切だ。自分が面白く、他人も面白い。家でのことなら僕も妻も面白い。その状態がいちばん大切である。 目的をもって何かを成し遂げるとか、モノを作るとか、かたちあるものを残すとか、そ…
空は晴れていたが寒かった。冬らしい日だった。午後から川越在住の知人宅にお邪魔していた。西日で部屋全体が赤く染まり始めた頃まで歓談。 百億円くらいなら、まだどうにでもなるんだから、とにかく早いところ、次は誰がマカオに行くのかを、推薦でも公募で…
会社の帰り、どこかで何か食べて帰ろうかと思って、途中下車なら横浜か、中目黒か、銀座か、上野か…とか、いろいろ考えたが結局、面倒くさくなって帰ることにした。さんまでも買うかと思って、駅前のスーパーに行ったら、さんまなんて全然売ってない。あれー…
通勤急行渋谷行きの中で「ビル・エヴァンス-ジャズ・ピアニストの肖像-」を読んでいる。分厚くて重い本なので、片手で吊革に掴まり、その腕の上に本を乗せて、もう片方の手で本の片側を抑える。こうしていると本自体の重さは吊革に掴まった腕に掛かるので少…
ビル・エヴァンスは「自分がよくわかっていないものを演奏するよりも、シンプルな演奏をすることを好んだ」。また「今やジャズの素材としてのポピュラー・ソングやブルースはタネ切れになった観がある」との言葉に「僕はそうは思わない」と切りかえした。 自…
低血圧なので朝はいつも朦朧として登校する。今日も満員電車の中でうとうとしていた。満員電車の中で、人と人のあいだに押しつぶされながら眠っているなんて、小学生時代の僕が今の僕を見たら、なんと思うだろうか。僕もずいぶん、落ちてしまったものだと思…
高校三年生の頃の九月に、自然肺気胸という病気にかかって半月ばかり入院していた。 入院生活は安静にして治癒を待つだけのことで何の苦痛も面倒も無い。静かで清潔でたいへん快適だった。このままいつまでもこうしていたいと思ったものだ。ベッドの上ではほ…
Jeff Millsをいま聴いている。Our Man From Havana 1997年に出たのだそうだ。そうかこれが、1997年にね。なんか当時は、そういうことに全く気付かなかったよ。1997年なんて、何を聴いてたのか。たぶんPavementのBrighten The Corners とかを聴いてた。97年と…
毎日眠い。最近は電車に乗ることを想像しただけで眠くなる。とにかく絶対に、今月か来月中に一日休む!ビーチボーイズのライブ盤InConcert最高に素晴らしい。週末は図書館に行くかも!髪は切らないで伸ばすかも。伸ばしてどうするのか。やっぱり髪きりに行く…
今日はなぜか、インターネットにつながらない。IPならつながるけど、名前解決ができないのだ。DNS自体にPINGは飛ぶのだが。自宅でこんな状態、はじめてのことだ。まあ、明日になったら直っててくれると良いのだが。。 ジミヘンのWinterlandでのライブがCD四…
色々と読んでいるが全部途中だ。今はカポーティ「夜の樹」という短編集を読んでいる。電車に乗って、窓の外を見ながらしばらくぼーっとして、五分か十分もしてからようやく鞄から本を取り出して、しおりを挟んでいたところを開いて、それからまた、しばらく…
それなりに何か書いたというような自分の内側の感触というのか、予感というのか、そういうのがあっても、ブログにあげてしまえばひとまずそれで終わってしまって、その後何日かして読み返しても、少なくとも自分としては、たしかにまあまあ少しは面白くなく…
旅館で、夫婦で揃って温泉行くじゃん。そのときいっつも鍵どうする?男の人ってお風呂早いから、家のダンナもちゃっちゃと洗ってすぐ出てきちゃうんだけど、だから早いと思って、部屋の鍵持っててって、ダンナに預ける?そう。ダンナに預けとくでしょ?だよ…
やっぱり今日は書くのはあきらめよう。そして寝よう。あきらめが肝心だ。過ぎ行く夜を惜しむのはもうやめよう。そう思ったら、少し気持ちが、楽になった。 さっきまで寝ていた。さっき起きて、部屋が散らかっていたので片付けて、風呂に入った。お風呂は気持…
ビーチボーイズの「smile」について何日か前に「あまりよくわからない」と書いたが、そう書いているとき、あぁ、今そう書いていながら、僕はおそらく明日から、書いたことと反対の方向に引っ張られていくだろうと感じた。 で、予想通りここ最近は「smile」の…
「今どこですか?」 「中目黒です。」 「まあ、どちらに行くんですか?」 「帰る途中です。もう電車に乗らないと。」わざとぶっきらぼうに言った。 「そうですか、いいなあ…。」少しの沈黙。何か言いあぐねているような様子。 こちらから話した。「あと三十…
店の中は薄暗い。そしてバスの車内みたいに奥へ細長く伸びた空間である。右手にカウンターがあって、左手に窓があって、窓際に貼りつくような感じで二人がけのテーブルが手前と奥に並んでいる。窓側から光が差し込んでいる。カウンターの椅子とテーブルの隙…
このところビーチボーイズを集中的に聴いている。ビーチボーイズのアルバムはほとんどが2in1でCDに収められていて、しかも外盤屋なら1000円くらいで売ってるのでとても買いやすい。 ビーチボーイズは、僕がうまれてはじめて聴いた洋楽と言っても良い。中学1…
乃木坂の国立新美術館でモダン・アート,アメリカン−珠玉のフィリップス・コレクションを観る。 最後の方の部屋で有名な人たちが出てくるまでは一部を除いてかなり地味な(というか、単に自分がよくしらない画家の)作品が並ぶ展覧会だが、それがかえって面白か…
公園で、芝生の上に寝転んで過ごすなんて馬鹿じゃないだろうかと思っていた。 しかし、女と付き合うと、する事がなくなるから、公園に行くのだった。 やる事も無いし、金もないと、公園に行くしかない。 実家で、親がうるさくて気が塞がるのだそうだ。そう言…
公園に行く事自体、昔では考えられないようなことだったと橋東は言う。だって、公園でいったい、何をするのか?何の目的もなく、何か見るべきものがあるわけでもない、ただの公園に行って、なにもせず、ただ時間をすごす。そこにいったい、何の意味があるの…
昨日、ギャラリー川船で観た「末松正樹 未発表小品展」。紙に鉛筆、ペン、インク、水彩などの仕事ばかり数十点並んでいて、小品だったら大体こんな感じだろうと予想していたよりも、実際には全然素晴らしいものだった。 今日は先週買った高橋悠治「カフカ/夜…
ドアを開けると暗闇である。前方のスクリーンに映画が投射されている。座席はかなり人で埋まっていて、前の方に団体で座ってる外国人たち何十人かが、なぜかすごく怒っていて、シーンが切り替わるごとに、ほとんど全員、怒って叫んだり何かを叩いたりしてや…
昨日も今日も酷く酔っており申し訳ございません。また明日。おやすみなさいませ。
電車が駅に着いた。ドアが開いて、出口の階段の方向へ歩く。 覚悟を決めてここへやってきたのだ。その期待と不安に私の胸が高鳴っている。 気持ちを落ち着けて、平静を装って、人の後について、人と同じ足取りで階段を上る。改札口を抜けて案内板を見る。埃…
さっき同じように、またこの道を歩いている。家に、忘れ物を取りに戻って、もう一度出てきたのだ。こういうときって、忘れ物をしなかったもう一人の自分がニ、三分先を歩いているような気がしないか?空気の乾燥した、真っ白に漂白されたような空気の中を歩…
昨日は青梅に行った。曇天の日。山々に白くうつくしい霧がかかっていた。アートプログラム青梅という展覧会。青梅市立美術館の二階展示場に入ると右手すぐの壁に古谷利裕さんの作品が並んでいて、並んでいる作品群から静謐な緊張感をただちにかんじた。 絵画…