友人の家


A家のご実家で、Aと、Aのご主人と、Aの子供二人(三歳と八ヶ月)と、Aのお母さん。妻と僕と、友人B。妻とAとBは大学時代の同級生、僕と友人Aは同地元で小学生時代から知り合いで母上にも何度かお会いしたことがあり、そもそも妻と知り合ったきっかけもAの仲介でだった。AとAのご主人の結婚は六年前くらいで、僕は二人が結婚してからAのご主人と知り合ったが、共通の知り合いはいる。友人Bと僕は初対面ではないがちゃんと話したのは今日がはじめて。BとAのご主人の共通の趣味はトライアスロン。皆、酒を飲まないので僕も飲まない。こうして皆でわいわいと過ごしていながら、自分の体内にアルコールがまったく摂取されていない状態を意識するのはとても不思議な感じ。延々と再生され続ける終わらないレコードのように三歳の子と八ヶ月の子の泣き声や喜びはしゃぐ声。A夫妻と母上がそれをあやして抱っこしてごはんをあげて寝かせて遊んであげての合間に女性三人が中心の話が、妻とAとBの生活それぞれの違い、互いの、あなたはそうで、あなたはこうで、わたしは今こう、でも後姿と歩き方ですぐわかった、この前会って元気だったよ、たくさん食べてね、残すと勿体ないからこれも取ってね、でも最近階段のぼると息切れするのよ、男の人の食べ物の好みは保守的、お母さんが作ってくれるから、さいきん物忘れがひどくて、神経衰弱ってなんだっけ、そこから説明?モノをよく落っことすのね、今は音信不通になっちゃった、フルマラソンは三ヶ月くらい練習すれば完走ならできる、いつもそうやってずっと立ち上がりたくて何かに掴まって、左上の顔が私で下のちっちゃい虫みたいなのがお兄さんだって、泥に触るのが嫌いなのね、姪から親戚がほしいって言われた、でもあのときは若いからできたんだよ、急須の蓋閉めて少し蒸らさないと美味しくないんじゃない?感受性豊かなのよ、帰りに、かにやに寄ってけばいいじゃない、やっと涼しくなったね、日が短くなった、コテンと寝ちゃったのね、秋の虫の声ね、